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第9話

始まりの過去
飯島夏生
飯島夏生
咲、おめでとう。
君はどこの世界でも、いや、どの時代でも通用する立派なチェスプレイヤーだよ。
三上咲
三上咲
夏生さん。ありがとう。
私にチェスを教えてくれたあなたに感謝します。
そして、世界がこれ程まで広いとは思いもしませんでした。
飯島夏生
飯島夏生
今日は君とお別れとなる最後の日だね。
私は君との棋譜を見たときから、その使命に尽力を果たしたよ。
今にして思えば咲を探すところから始まり、君を世界をまたにかけるチェスプレイヤーの道に歩む必要があったからね。
歴史を変えてはいけない。
三上咲
三上咲
私は本当にこれから、二百年後の未来に行くのでしょうか? 
正直、不安です。私はその未来でどうすれば良いのかわかりません。
飯島夏生
飯島夏生
私の知人に君のことを全て話してある。
安心してもらって良い。
咲、君がこの時代から消えることは必然なんだよ。
三上咲
三上咲
夏生さんが目にされた棋譜に私が消息不明となると記されていた。
つまり、この時代から私という存在は消えてしまう。
飯島夏生
飯島夏生
その通りだ。しかし、どの年代に君が存在するのかわからない。歴史にはもう君の名は残されていなかったよ。
だとすれば、私が存在した年代に賭けようと思う。
三上咲
三上咲
そこには、夏生さんのご家族がいるのでしょう?
いつも話をされていましたね。
自慢の家族だと。
飯島夏生
飯島夏生
あぁ、私が存在した夏樹は十歳だったよ。
この時代へ遡ることは私の研究チーム以外知られてはならないことだからね。
そのおかげで、洋子には不憫な思いをさせてしまった。私の浮気が原因で、別居をすると申し出たよ。
三上咲
三上咲
全てはその棋譜とそして、夏生さんが手にするオーパーツが発端となっている。
飯島夏生
飯島夏生
全く厄介なものを見つけたものだよ。
こいつは一人しか時間を跳躍できないときた。
それに、膨大なチェスの資料を持ち寄せただけで、私にできたのはそこまでだよ。
あとは君の努力で報われたんだ
三上咲
三上咲
運命とは変えられないものなのでしょうか?
私は夏生さんのご家族に申し訳なく思っています。まるで、私が夏生さんとの家族の関係を壊してしまったかのように思えます。
飯島夏生
飯島夏生
それは、違うよ。
咲が未来に行くことには意味があると思っている。
人はいつでも白紙なんだよ。
そこに意味を見出だそうとする。
君には苦しいこともあるかもしれない。
でも、真っ白なら何を描いても良いんだよ。
世界は無限の可能性に満ちている。
私は君と出会えて心から良かったと思う。
自分の娘のように思えたよ。
咲、君だけの人生を歩んで欲しい。
三上咲
三上咲
私だけの人生。
夏生さん、今までお世話になりました。
飯島夏生
飯島夏生
さぁ、そろそろお別れだ。
最後に大きな仕事があるね。
咲と私の最後のチェスをしようか。
三上咲
三上咲
はい。
夏生さん、私はきっと夏樹くんのことを好きになると思います。
夏樹くん宛にラブレターを書いたんです。
飯島夏生
飯島夏生
二百年越しのラブレターか。
君に相応しいかどうかわからないぞ。
なんたって夏樹は十歳だからな。
三上咲
三上咲
大丈夫です。
全ては私の描くままになる。
そうでしょう?
飯島夏生
飯島夏生
そうだな。
それじゃあ、始めようか