侑side
あなたのオカン…!?
声がした方を見ると着物姿の1人の女性がたっていた。
顔は……例えるなら北川〇子似のべっぴんさんや…
すると俺の存在に気づいたのか声をかけてきた。
天宮母「貴方が…あなたの婚約者さんね!
まぁ…素敵♡うちの可愛いあなたにぴったりだわ!」
侑「せやr))そ、そうですか?ありがとうございます))ニコッ」
あっぶな、思っきし関西弁ぶっぱなすとこやったわ。
『そうなの!彼凄く優しくて、、』
オカンと話すあなたの顔は緩んでいて、
ほんまにオカンは好きなんやな、と知った。
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あなたside
母さんと久しぶりに話せて嬉しいな…
天宮母「それで…
2人はどこまでいったの??♡」
『ゴフッ…!!』
侑「ゴホッ!!」
2人揃って吸い物を吹き出してしまった。
『な…か、母さん…!そんな事ここで聞かないで…』
天宮母「え〜!いいじゃない、ね?ね?」
天宮父「全く、君は。探したよ。こんな所にいたんだね。」
天宮母「あら、貴方。久しぶりの娘との再会なんだから…いいでしょう?」
祖父「…はたして本当に婚約者なのかね_?」
『っ……!』
私の祖父……
おじいちゃんは政治家でたくさんの人を見てきた。
嘘をつけばすぐにバレてしまう。
祖父「証拠とかないのかね?婚約届けは?」
どうしよう…どうやってこの状況を乗り切れば…
すると、ぎゅ。と私の右手がにぎられた。
『侑……?』
私の手を握り、椅子から立ち上がる。
侑「俺はコイツの…旦那になる男です。
証拠は何一つありません。
でも……必ず幸せにしてみせます。」
『っ……!//』
まさか__おじいちゃんの目の前でそんな事言うなんて…思ってもいなかった。
祖父「うーむ、……良かろう。
天宮くん。いい縁を持ったね。」
天宮父「……はは、それはそれは。」
天宮母「まぁ〜、なんて素敵なの♡」
『ありがとう…ナイスフォローだったよ、))ボソッ』
侑「俺、俳優なれるんとちゃう?))ボソッ」
そうして無事食事会が終わった。
祖父「侑くん、と言うたかね?」
侑「はい?」
祖父「…あなたを必ず幸せにしてやっておくれ。」
侑「…はい、もちろんです。」
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帰りの車にて。
侑「アカン…肩こった……」
『本当に今日はありがとう…もうなんてお礼を言ったらいいか…』
侑「お礼…か。ほな考えとくわ。」
『うん!なんでも言って??』
侑「アホ!男になんでもとか言うんやないで!」
『えっ……ご、ごめんなさい…?』
天宮父「侑くん、今日は本当に助かったよ。
ありがとう。これは心ばかりのお礼だ。
受け取っておくれ。」
そう言って侑くんの目の前に置かれたのは
アタッシュケース。
中身は……私には大体わかっていた。
侑「なんや?…これ…」
開けると中身はやっぱり〝お金〟。
___つくづく嫌になる人だ。
ざっと…100万はあるなこれ…
侑「……金なんかいらん。」
天宮父「おや?では何がほしいんだい?」
侑「…あなたの〝恋愛自由権〟や。」
『え…?何言って……』
天宮父「はっはっは(笑)それは…どういう事かな?」
侑「あなたの婚約者はアンタが決めるんやろ?
だったら…
それを無しにして
あなたはあなたの望む人と婚約するっちゅー権利をあなたに与えろってことや。」
天宮父「…それは…出来ないな。」
侑「なんでそこまでして自分の娘縛るんや。
俺ずーっと思ってたんや。おかしないか?」
『ちょ…もういいよ、侑くん。』
そろそろ止めないと…やばい。
父さん相手に適うわけない……
天宮父「私が…そうだったからね。」
『え…?』
〝そうだった〟_?一体なんの事…?
私は父さんの過去をよく知らない。
かと言って聞くこともしなかった。
侑「なんでもええわ。でもな、これだけ言わしてもらうで。
あなたは……お前やない。
〝あなたはあなた1人だけや〟。」
天宮父「___!」
『侑くん……』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。