第15話

14 過去編
16,072
2020/04/03 13:27
私は常に完璧を求められて育った。



私の家、

天宮家は代々天宮総合病院を経営する医者一家。



父は長男で医者で…母はある政治家の一人娘だった。




幼少期から勉学、武道、芸術に礼儀。


全てを完璧に教えこまれた。



「勉強もスポーツも、全てにおいて1位をとりなさい。」




『…はい。』




間違った事をすれば叱られ、

〝1番〟を取れば当たり前だと言われた。






そんな毎日が嫌で仕方がなかった



だから私は母方の実家がある宮城に

中学生になったら母と暮らす、という約束をした。


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白鳥沢学園中等部。



中学生になる頃には殆どのスポーツをこなしていて、


次はバレーボール、なんて自分で勝手に心に決めていた。


まるでスコアをこなすように_。





だから私はバレー部に入った。



入ってすぐ実力が身について、

全国へ導いた3年生の先輩すらベンチに追いやるほど強くなった。



ほんの数ヶ月で。



別に誰かを蹴落としてふんぞり返りたいわけじゃない。


全ては父さんが望むから、

私の上には父さんしかいない。



そんな時、若利と出会った。


若利「お前_バレー部の天宮か」



『はい…そうですけど、、(先輩だ…)』




若利「いいスパイクを打つんだな。
バレーはいつからしている?」




『中学からです。』


若利「…!ほんとうか?それにしてはプレーが他とは違う。」





『ほんとですよ笑』


胸元を見ると牛島若利。と書かれていた。


この人_男バレの主将だ


『あの、牛島先輩ですよね?
良かったら、バレーのいろんなコツ
教えてください!』




若利「ああ、いいだろう。着いてこい」



それから私達はどんどん仲良くなっていった。





そして中学生最後の大会



女子バレー部は男子を追うように全国大会に出場。




結果は見事優勝だった。


卒業式の日、


天童「ほらほら〜若利クン!」



若利「あ、ああ。…あなた、」



『あ!牛島先輩!来てくれたんだ。』



若利「卒業おめでとう。それと、
俺と恋人になって欲しい_。

俺がこれからずっと傍にいるから、
お前も俺の傍を離れるな。」



『…っ!わ、私も…好きです!
喜んで、!』




すごく嬉しかった。


こんなにも好きになった人は初めてだった


…でも幸せは長くは続か無かった。



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白鳥沢学園高等部1年。



バレーは辞めてテニス部に入った。



部活は結果も出して順調だった


そんな時、父さんから電話越しに言われた言葉、



「どうやら、恋人がいるようだね?」


『っ…!何故それを…』


父さんにはもちろん、

母さんにすら言っていなかったのに。




「覚えてるかな?父さんは言ったはずだよ。
私の望む人と交際、婚約してもらうと。」




『…覚えています。

で、でも、
若利は、彼は…バレー部でエースで、!
全日本ユースにも選ばれて、凄い人なんです!
優しいし良い人で…!だから、どうか_!っ、』



「…じゃあ、こうしようか。

これから模試やテスト、全てにおいて1点でも成績を落としたら彼とは別れて君は〝こっち〟に来てもらうよ。」



『!!…そんなこと、』



「出来ない、とでも言うのかな?」



『…いえ、わかりました…。』




それからは毎日、必死に血を吐く思いで勉強した。




そうしないと__若利と別れなきゃ行けない。



そんなの絶対に嫌だ。




若利「おい、もういい加減勉強やめろ…!
顔色悪いぞ、」




『やめて、、!頑張らないと、っ!わからないでしょ!私の気持ちなんて!!』



若利「っ……、あなた…」




______そして、




1年生最後の全国模試。




『………2位…』



そんな、どうして、




あんなに頑張ったのに__!!




『っ……うっ、どうして、!どうしてよ!!
っ…!』




だめだ、私は__父さんとの約束を果たせなかった。




若利「あなた…、大丈夫か?俺はお前に話したいことが、」




『ごめん、若利。』



若利「……?何がだ?」




『別れなきゃ、___だから


私が全部悪いから…ごめん。』


そう言うと

驚いてその場から離れようとする私を追う。


若利「待て、行くな、俺は…っ…」




『さよなら、』




そう言い残し、白鳥沢学園を去った。

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作者より

すみません2000字こえちゃいました…

めちゃクソながいです…💧


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