私は常に完璧を求められて育った。
私の家、
天宮家は代々天宮総合病院を経営する医者一家。
父は長男で医者で…母はある政治家の一人娘だった。
幼少期から勉学、武道、芸術に礼儀。
全てを完璧に教えこまれた。
「勉強もスポーツも、全てにおいて1位をとりなさい。」
『…はい。』
間違った事をすれば叱られ、
〝1番〟を取れば当たり前だと言われた。
そんな毎日が嫌で仕方がなかった
だから私は母方の実家がある宮城に
中学生になったら母と暮らす、という約束をした。
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白鳥沢学園中等部。
中学生になる頃には殆どのスポーツをこなしていて、
次はバレーボール、なんて自分で勝手に心に決めていた。
まるでスコアをこなすように_。
だから私はバレー部に入った。
入ってすぐ実力が身について、
全国へ導いた3年生の先輩すらベンチに追いやるほど強くなった。
ほんの数ヶ月で。
別に誰かを蹴落としてふんぞり返りたいわけじゃない。
全ては父さんが望むから、
私の上には父さんしかいない。
そんな時、若利と出会った。
若利「お前_バレー部の天宮か」
『はい…そうですけど、、(先輩だ…)』
若利「いいスパイクを打つんだな。
バレーはいつからしている?」
『中学からです。』
若利「…!ほんとうか?それにしてはプレーが他とは違う。」
『ほんとですよ笑』
胸元を見ると牛島若利。と書かれていた。
この人_男バレの主将だ
『あの、牛島先輩ですよね?
良かったら、バレーのいろんなコツ
教えてください!』
若利「ああ、いいだろう。着いてこい」
それから私達はどんどん仲良くなっていった。
そして中学生最後の大会
女子バレー部は男子を追うように全国大会に出場。
結果は見事優勝だった。
卒業式の日、
天童「ほらほら〜若利クン!」
若利「あ、ああ。…あなた、」
『あ!牛島先輩!来てくれたんだ。』
若利「卒業おめでとう。それと、
俺と恋人になって欲しい_。
俺がこれからずっと傍にいるから、
お前も俺の傍を離れるな。」
『…っ!わ、私も…好きです!
喜んで、!』
すごく嬉しかった。
こんなにも好きになった人は初めてだった
…でも幸せは長くは続か無かった。
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白鳥沢学園高等部1年。
バレーは辞めてテニス部に入った。
部活は結果も出して順調だった
そんな時、父さんから電話越しに言われた言葉、
「どうやら、恋人がいるようだね?」
『っ…!何故それを…』
父さんにはもちろん、
母さんにすら言っていなかったのに。
「覚えてるかな?父さんは言ったはずだよ。
私の望む人と交際、婚約してもらうと。」
『…覚えています。
で、でも、
若利は、彼は…バレー部でエースで、!
全日本ユースにも選ばれて、凄い人なんです!
優しいし良い人で…!だから、どうか_!っ、』
「…じゃあ、こうしようか。
これから模試やテスト、全てにおいて1点でも成績を落としたら彼とは別れて君は〝こっち〟に来てもらうよ。」
『!!…そんなこと、』
「出来ない、とでも言うのかな?」
『…いえ、わかりました…。』
それからは毎日、必死に血を吐く思いで勉強した。
そうしないと__若利と別れなきゃ行けない。
そんなの絶対に嫌だ。
若利「おい、もういい加減勉強やめろ…!
顔色悪いぞ、」
『やめて、、!頑張らないと、っ!わからないでしょ!私の気持ちなんて!!』
若利「っ……、あなた…」
______そして、
1年生最後の全国模試。
『………2位…』
そんな、どうして、
あんなに頑張ったのに__!!
『っ……うっ、どうして、!どうしてよ!!
っ…!』
だめだ、私は__父さんとの約束を果たせなかった。
若利「あなた…、大丈夫か?俺はお前に話したいことが、」
『ごめん、若利。』
若利「……?何がだ?」
『別れなきゃ、___だから
私が全部悪いから…ごめん。』
そう言うと
驚いてその場から離れようとする私を追う。
若利「待て、行くな、俺は…っ…」
『さよなら、』
そう言い残し、白鳥沢学園を去った。
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作者より
すみません2000字こえちゃいました…
めちゃクソながいです…💧
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。