治side
保健室へ向かう途中…後ろから北さんの声が聞こえた。
信介「治!…何があったん!?」
珍しく取り乱している北さん。
そりゃそうやろな、
こんなボロボロの女子みたらそうなるわ、
治「北さん…実は…あなたが女子らにやられて、
今連れ出して来て保健室向かってるとこなんです。
俺見た途端に気うしなってしもて…」
信介「さよか……?あなたちゃんはええ子や。
少しやけど話したことある。
……こないなことする奴がおるんやな…
低俗やな、ほなはよ連れてってやり。」
そう北さんに言われ、急いでようやく保健室へたどり着いた。
治「先生!」
保先「まぁ…この怪我…どうしたの!?」
こっち、と案内されたベットに
ゆっくりとあなたを下ろし、さっきあった出来事とあなたの状況を伝える。
保先「両頬に殴られたあと…手足や腹部にも赤いアザが出来てる…」
治「…っ…、先生、あなた死なんよな…!!?」
保先「大丈夫、絶対死なないから。落ち着いてね」
慌てる俺をなだめると
先生はお家の人に連絡するから、鞄と靴を持ってきてあげて、と言った。
治「…はい。」
何も出来ない自分が不甲斐なく、
その場を後に1組の教室へ向かった。
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侑side
長かった再テストが終わり、結果は
__合格だった。
あなたのおかげやわ、もう帰ってるやろし…
LINEしとこ!
すると目の前から慌てた表情のサムが駆け寄ってきた。
侑「何してるん?部活とちゃうの?」
治「…っ…あなたが……女子らにやられて…」
侑「…………は?」
サムが何ゆーてるか一瞬わからへんかった
聞くとあなたが俺らと仲良くしてるからっていう理由でボコボコにされた…らしい。
侑「あなたは…!?今どうなってるんや!?
意識は!?怪我はどんくらい酷いんや!?」
サムの肩を掴み、慌ててそう言う俺に
サムは顔をしかめて「目ぇ…覚まさんくなった、」
と泣き出しそうな声を放った。
俺はそれを聞いた瞬間頭に血が上るのがわかった
意識が無くなるくらい殴ったっちゅーことやな…、、
侑「誰や、そいつら。」
治「……2年」
侑「名前は、」
治「3組の佐藤、荒木、山田、齋藤、」
サムが名前を覚えとったっちゅーことは
こいつ…相当怒ったんやな。
侑「待っとけ…今度は俺がそいつらをボコボコに…」
信介「それはアカンよ、侑。」
侑「っ……!北さん…?なんでここに…」
北さんは部活のはずじゃ…
信介「治から話は聞いてる。ここにおるんは侑が再テストに合格したか顧問に聞きにいけ言われたからや。」
侑「合格はしましたけど…今はそないなこといってる場合じゃ…」
信介「あの女子らは俺がもう職員室に突き出した。」
治&侑「…!?」
信介「4人とも空き教室で抜け殻みたいになってたで。
……んで、4人ともその場で退学処分決定や。」
侑「退学て…そないな事で済ますんですか!!
アイツの傷が残ったら…?
心に…なんか残ったらどないするんですか…!!
アイツ…
ただでさえ溜め込みやすいタイプなんすよ…っ…」
治「……俺が……もっと早く駆けつけてれば……」
信介「悔しい気持ちになんのもわかる。
せやけど、、1回落ち着きや、」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。