第7話

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19,109
2020/03/22 14:27
治side


転校生が来たかと思えば_同じクラスだった。


初めて見た時も思ったんやけど、

間近で見るとほんまにシャレならんくらい

可愛い子や。





俺がジーッと見つめると、彼女は分かりやすく動揺した。




天然なんやな、可愛ええな。と思った。





ただ…一つだけ不可解なのはツムのことや__。




___部活前___


治「なぁ…ツム。」


侑「なんや。」


治「今日、…天宮ちゃんに会いに2の1来たんやろ?」



俺は何故かあなたを呼び捨てしていることを


ツムに知られたくなく、〝天宮ちゃん〟と呼んだ。



侑「あー、行ったな。それがなんやねん。」



治「本気なん?」


俺がそう聞くとツムは高々と笑った。


侑「はっ、本気なわけないやろ!
第1、女は皆同じや。

まぁ見てろやサム、そのうち好きって言わせたるから(笑)」





こいつ……ほんまに人間のクズやな。


そう思いながら内心どこかホッとした。



_____________________
あなたside

放課後になり、教室をでると担任の先生と出会った。




どうやら〝体操服〟が明日届くから、


昼休みに取りに来て欲しい。とのことだ。




それにしても1日目__なんだか疲れたなぁ





でも友達も出来たし!


『うん!1日目にしてはよく頑張った!私!』




よく頑張った__か。



〝よく頑張ったな、あなた。〟




若利がたまに褒めてくれる時の言葉。




だめだ、思い出しちゃいけない。



……どうしてるかな、もしかしてもう彼女とか……




ポロッ


『っあ……やばい、ハンカチハンカチ』




溢れ出る涙をハンカチで抑えながら、

誰にも見られていないことを確認した。



…良かった、大半の人は皆部活に行って


靴箱ががらんとしてる。



その時だった。



?「君、なんで泣いてるん?体調悪いんか?」



前から声をかけられ、一瞬呼吸を忘れてしまった



『っ!?え、あ、だ大丈夫です!
ごめんなさい…』



短髪に髪色が毛先だけ少し黒い…


シューズの色を見ると…えっ待って3年じゃん。



先輩だよ終わったよ。←



?「大丈夫ちゃうやろ。体調悪いんなら保健室行きや。って、もしかして噂の…転校生ちゃうか?」



顔を除きこまれ、一瞬驚いた顔をされる


いや驚きたいのコッチなんだが…


格好は見るからに部活生で練習着を見るに

きっとバレーボール部だ。



あ、ってことは治くんのこと知ってるんだろうな。



『はい、私転校生なんです…笑

あと、ご心配ありがとうございます!
でも、ほんとに大丈夫なんで!』




?「やっぱり、そうやろておもた。

大丈夫ならええけど、、じゃあ、俺は行くな。」




そう言うとすっ、と職員室の方へ向かう階段を上り始めた。



あれ…名前なんて言うんだろ。




『あ、あの!バレー部ですよね…
名前なんて言うんですか!』



はっ…自分でも信じられないくらい大きい声が出てしまった。



どうしよ…はずかしい!!



すると先輩は一瞬驚いた顔をして、



北信介や。とだけ言って行ってしまった。



絶対変な子って思われた、


なんか名前聞かないほうが自然だったかも……



もう早く帰ろ………(泣)



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