第95話

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2020/07/20 22:23
あなたside





ゆっくりと目を開けると__そこは保健室。



体を起こすとズキッ、と右頭部が痛んだ。




『あ……そっか、、私喧嘩を止めるために走って…』




そのまま侑の拳を受けたんだ。





『ふ……侑って凄いパワーなんだな。』





シャッ__



カーテンがゆっくりと開けられ、


保健室の先生が入ってきた。



先生「目が覚めて良かった…!
ここまで治くんが運んでくれたんだよ。」



『_!治が……

あとでお礼言わないとな…』




先生「殴られた後さらに床に強く打ち付けたから、
当分痛むと思うわ。

……でも、男の子同士の喧嘩によく向かって行けたね?」



ふふ、と笑う先生。



『あはは……私が勝手に向かって行っただけなので、、笑』



先生「そっか。


あなたちゃんにとって…2人は大切な

存在なんだね!」




『_!……はい、2人は私にとって特別な友達なんです。』




__その後、しばらく先生と他愛ない話をした。




先生「おっ、そろそろ……か。

じゃあ先生はもう行くから、氷渡しておくね!」




『あっ、はい!ありがとうございました!』





ガララ………




シャッ__。




閉じられたカーテンが再び開き、



次にやってきたのは………




『侑………』



視線を逸らし、どこか申し訳なさそうな顔をした
侑が立っていた。






侑「……あなた………その、、」



『ふふ、……どうだった?今日の部活。』




侑「_!……いつも通りやった。」





私がそう言うと、ようやく目を合わせてくれた彼。




『そっか…良かった。』))ニコッ。



侑「っ……」




スッ___



ゆっくりと私の頭に手を添える。




ちょうど___痛む場所。




侑「……殴ってしもて……すまんかった。」




『ううん、大丈夫。私が勝手にしたことだから、、』




侑「せやけど……お前を傷付けてしもた…。」




途端に泣きそうな顔をする侑。



私はゆっくりと彼の手に自分の手を重ねた。




『ふふ………そんな顔しないで…?


私は侑に笑っててほしいの。……もちろん、治にも。』




だから、



『2人があんな風に喧嘩してるとこ……見たく無かったんだ、。』





侑「…ごめんな、もうせぇへんから。」



『殴り合いはダメです。…わかった?』



侑「おう。」



『ふ、おりこうさん。』



重ねた手を下ろそうとすると、



ぎゅ、とその手を握られる。





『っ……/……?』



侑「俺な……お前の事……好きやねん。」




『う…うん、この間も言ってくれた、ね、、。/』






侑「お前が、、誰かを好きやったとしても……


俺はあなたが好きや。」





『…ありがとう。』





侑「……おるんやろ?好きな奴。」



『……うん。』




途端に恥ずかしくなって目をそらす。



侑「やっぱりそうよな……

はぁ……」




誰やねんそいつ…!と言いながら

布団に顔を伏せた。




『ふふ、………じゃあ、ヒント、、あげようか。』





侑「…!!欲しい!」





『そうだなぁ………彼は、、


1度私の大切な物を盗んだ事があります。』





侑「盗っ!?泥棒やんか!!」





なんでやねん!!と突っ込む侑。



…でも実際本当なんだから。





侑「なぁー、わかりずらい!!もう一個!!」



『だーめ、ヒントはこれだけです。

さ、帰ろう?』





侑「しゃんなしやなぁ。

よっしゃ、ほな帰ろか。」




鞄も靴も用意してくれていて、



今日は侑と2人で帰った。







『…治は?』




侑「…ああ、俺が先に帰っとくように頼んだんや。」




『そっか、帰ってお礼の電話しなきゃ。』





侑「……まだ痛むか?」



『もう平気だよ!』





侑「ほんまに?バカになってへんよな?」





『…………なってません。さようなら。』




玄関に着き、ドアを開ける。




侑「冗談やって笑……あなた!」





『ふふ、なに?』




侑「おやすみ。」





『うん、おやすみ。』







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あなたside





『__あ、もしもし、治?』





治「目ぇ覚めてほんまに良かったわ。

…もう大丈夫なん?」



『うん、しばらく冷やしてたおかげで、

腫れもひいたみたい。

……それと、運んでくれてありがとう、』



治「ええよ。それに…喧嘩止めようとしてくれて
ありがとうな。」










______治との電話を終え、お風呂へ入る。




『いっ……まだ少し冷やさないとな…笑』





それにしても…髪伸びたなぁ。





思い切って切っちゃおうかな?






そんなことを考えながら湯船に浸かった。




_____________________

in 宮家





侑「なぁ、サム、、」





治「なんやねん。ってアイス食うてるやん。」





侑「んまいで。

…でな、あなたの好きな奴……俺ヒントもろたんやけど。」




治「!!?どんなヒントや!」



侑「そいついっぺんあなたの大事なもん盗んだんやって。」






治「_!…………さよか。」






侑「な?わからんやろ?」



治「…せやな。」





侑「ほんまにいっはいはへやへん。
(ほんまに一体だれやねん。)」←アイス咥えてる。





治「おい、ツムお前……」




侑「ん?」





治「それ俺のアイスやんか!!アホ!!」





侑「はぁ?冷蔵庫に入っとるもんは誰のもんでもないやろ。」






治「てめ……」



侑「あ……?」





__ピタッ。





「「殴り合いはだめだからね。」」





侑・治「………」





宮マミ「(あら……珍しい。)」




_______________________

次の日。




さち「あなた!おはよ〜」



『おはよ〜!』




さち「そう言えば男バレのマネになったんやろ?!」



詳しく聞かせてや〜!と私の前の席に座った。





『月曜日から正式にマネージャーとして入部
したんだけど…

まだまだサポート面で勉強が足らなくて…笑』




さち「ほええ……あなたはやっぱり真面目やなぁ!

…ところで、今週他校と合同合宿なんやろ?」




『_!そうだった……』




すっかり忘れてたから何も準備してないや…



さち「マネってあなた1人なんやろ?…しかも女子やし。」



『うん、そうだよ!』




さち「そうだよ…ちゃうねん!!他校の男子部員に気をつけるんやで!?ナンパされんようにな?」




ああ…心配や…と胸元を抑えるさちに



大丈夫だよ!と言って笑った。




_____1時間目。





『(マネージャーの仕事も大切だけど、
勉強も同時に頑張らないとな…)』





今は数学の時間。



既に教科書の範囲は全て終わっているから、


今は自分の問題集を解いている。




『えっと……ここはなんの公式だったっけ…』




治「なぁ、あなた」




『なに?』



治「来月期末テストやんか。」



『うん、そうだね。

今のうちから苦手科目やっておくんだよ?

この間みたいにやればきっと今回も大丈b「あかん。」…え。




治「俺…三角比特に苦手やねん…」



『ええ……範囲じゃん…』



治「また勉強会しよ…?な?お願いや。」




『わかったよ笑じゃあ頑張ろっか!』




__そういうわけで来月の期末テスト前の予定は



全て「The・宮兄弟赤点回避大作戦」へと

変更されたのであった。



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部活にて。





監督「来週から合同合宿やからな。しゃんとせぇよ。」


「「ハイッ!!」」





侑「あなたも行くんよな?」))ボソッ


治「はぁ?そんなん…」


信介「…当たり前やろ。マネージャーなんやから。」



侑「そっ、そうですよね。(北さん耳よすぎんか…?)」




監督「__と言うわけでしっかり基礎練も忘れんようにな。

ほな練習開始!…あと、天宮。」




『はい!』



監督さんに呼ばれ、駆け寄ると



練習試合の日程表と対戦表をもらった。



監督「バレーの経験があるって聞いたんやけど、
ほなルールは大丈夫よな?」



『はい!大丈夫です。全力でサポート頑張ります!』))ニコッ











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