さち「告白どやった!?」
『え?告白?なんのこと?』
みよ子「あれ、告白の呼び出しとちゃうん?」
『ちがうよ!笑』
そう言って自分の席に座った。
____それから昼食をとって午後の授業。
隣の席の治くんは既に睡魔に襲われていた。
治「スースー……」
よっぽど部活がんばってるんだな…
机に突っ伏して寝ている彼
前髪が少しだけ顔にかかっていて
何故か色気を感じた。
__顔立ち…すんごい整ってる。
伏せた瞼、少し長いまつ毛、高めの鼻、整った輪郭。
顔は侑くんと変わらないけど、
2人は何となく思想というか、性格がちがうのがわかる。
きっと2人は凄くモテるだろう。
そんなふうに分析していると
寝ている治くんの瞼がゆっくりと開いた
そして目が合う。
彼はクスッと笑い何見てんのん?と言った
『あ…いや、ごめんね!整った顔してるから…
つい見とれちゃってて…』
治「それって_つまり?」
にやり、と笑う
治くんにしては珍しく何かを企んでいるような顔。
『ええ、っと、つまり_かっこいい、なって。』
こんなこと言っていいのかな、と内心ドキドキしながらも
見つめられているので言わずにはいられない。
治「ふ…あなたに言われるといっちゃん嬉しいわ。」
『2人って凄くモテそうだよね』
治「ツムより俺の方がモテるで」
『そうなの?』
治「せやで、言うてツムは人格ポンコツやから。」
『ええ……そうは見えないけど…』
だって、そりゃあ確かに初対面で卵焼き取られた時は
なんなのこの人って思ったけど…
優しくしてくれるし、たまにチョップくらうけど。
治「……知らんだけや、俺は生まれた時からアイツと一緒におるからな。」
『そっか_でもいいなぁ、兄弟いるの。』
治「あなたは一人っ子か。」
『うん笑そうなんだよ、めっちゃ兄妹ほしい。』
治「そうか??俺はいらんわ。鬱陶しいし
なんならツムあげるわ。」
『あげるって…笑
そんなこといっちゃだめだよ
…あ、そう言えば侑くんって、彼女作った事ないって言ってたんだけど…』
治「あー、確かにあいつは1度も彼女作った事ないで。だってあいつはな、
理想が高すぎんねん…笑」
理想が…高い?
顔とか性格とかってことかな?
治「ツムはな、自分が胸張って彼女やって皆に紹介出来るような人が良いんよ。
言わば、自分の株を上げてくれる彼女。」
『へぇ……そ、そうなんだ、、』
ちょっとビックリだ…
治「だからあいつは彼女作った事ないんや。
…手紙もろても読まずに破り捨てるような奴やで」
『それはちょっと酷い(笑)』
私も白鳥沢いた時たまに手紙貰ってたけど、、
若利と付き合ってたし、ちゃんとそれを相手に伝えてたな…
治「だから女子の中で、〝ツムに告白したいなら
手紙じゃなくて直接〟っていうルールみたいなん出来てるらしい。
まぁ…待ち合わせ場所伝えてもあいつ行かんけどな…」
『ええ……じゃあ、治くんは?ちゃんと読む…?』
治「そりゃあ、読むし返事もするけど…」
『おお…良い子っ!』
治「…俺は好きな子には絶対告白は自分からやって決めてるから__告白されても返事は決まってるけどな。」
『な、、なるほど……』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。