第73話

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2020/05/12 11:38
プログラムもいよいよ終盤。


次は全学年男子による〝騎馬戦〟だ。





さち「あなた、
…そろそろ耳塞いどったがええで。」



そう言って私の隣で両耳を塞ぎ始めるさち。



『え?なんで耳塞がないといけn))きゃぁぁぁ!!




ふぁっ!?!?』))キーン!!




女子達「宮先輩ぁぁぁい!!」

女子達「やばっっ!いやぁあ!かっこいい!!」


突然グラウンドを囲む女子達が


きゃあきゃあと声を上げた。




『なんでいきなりこんな……え。』




目の前には上裸でそれぞれの色のハチマキをした

男子達が。




『なっ……なんで上裸!?』



さち「毎年これやねん……))汗
ほんまに耳が痛なるんや。」



『そういうことだったんだね……苦笑』



特に侑と治は人気があるだけあって


注目度が高い。



2人に目をやると___それぞれが自分の色のハチマキを結び直し、



まだ騎馬も組んでいないのに睨み合っている。





『(それにしても………海に行った時も
見たけど、2人って筋肉凄いんだよなぁ)』




腹筋なんて、もう程よくバキバキだし。



なんて言うんだろう……〝The男らしい〟といっても過言ではないような体つきだ。



『って……何見てんだ私!?//』



さち「何赤なってんのん?…あ!

せや、あなたはどっちかに〝抱かれる〟としたら
どっちがええ〜♡?」




抱く__?ああ、ハグの事…かな?




『うーん……そうだなぁ、、

私はどっちでも…』



さち「どっちでも…!?ええ!?」



驚いた顔でこちらを見るさち。



『あ…』



ハグ____ってつまり抱きしめるってことだよね?




不意に今日の女子トイレでの出来事を思い出す。



助けに来てくれた侑が__私を抱きしめて……



確か…キ……


『ふぁぁああ!?////』



とりあえずキスの事は忘れよう!!うん!!



それにしても……


侑って___いい匂いするんだよなぁ、、

柔軟剤の匂い(?)なのか、すごく安心する香り。



さち「あなたって宮兄弟と1番近い存在の女子やと
思うわ。」


『_?そうかな?』



さち「あなたが無理やりもう抱かれとるんちゃうかうちハラハラするねん。」



『…えっ?もう2人とも抱き合ったよ?』



さち「え_______。ちょ……今なんt))




放送「__1年生の優勝ブロックは白ブロックです!_続いて2年生による対戦です。

2年の騎馬は準備を___」



____________________
治side


放送がなって、騎馬を組み準備をする。



いっちゃん相手のハチマキを
多くとったもんが勝ちや。





俺は土台となる3人の上へ上がり、



位置につく。



まずはその辺の奴ら片さんとな







治「角名、もうちょい高く出来ひん?」



角名「出来るけど、その分治がバランス
とるの大変になるよ?」



治「俺は大丈夫や。頼むで。」



「よーい_______」


パアンッ!!




男子「おりゃァァ!」




目の前から青チームの男子が突っ込んで来る。



治「……真正面て、やりよるなぁ。」




掴もうとする手を避け、パシッ__と相手のハチマキを取って自分の首にかける。



治「………来よったな。」




コイツらは敵やないねん。



1番の敵は__________





侑「サムゥゥぅう!!!」





コイツや。




治「っ___!」



ガシッ!!




お互いがお互いの手を掴み合い、抑えようとする。




侑「…っ…!」




グググ……とツムがさらに力を入れて来た



治「ふ…っ…………ついさっきまでリレーで
俺に負けてしょげとったくせに……っ_!」




侑「ふっふ………
〝好きな女〟が見とるからな__っ…!」




バッ__!




一瞬ツムの騎馬が離れ…その反動でバランスを崩した。




角名「治_!!」



治「っ__!」





アカン___体制が持ち治せへん……っ__。




侑「もろたで……サム___!」




パシッ____。




___________________
あなたside



治と侑が戦ってる…!!




『凄い迫力…!……あ!』




バランスを崩した治のハチマキを




一瞬にして奪った侑。





『うそ__一瞬だった………』





だんだんと騎馬数も減っていき、



結果は____




放送「2年優勝ブロックは白ブロックです。」



うぇーい!と叫ぶ白ブロック。




その後3年生の対戦では青ブロックが優勝し、



選手はそのまま退場。




治「はぁ……ツムに負けてもうた。」



『お疲れ様、治!』



治「!あなた〜」



「わっ…!」



両手を広げ私を抱きしめようとしたその時



さち「ちょっと待てや!!ストップストップ!!」


私を守るようにして治に立ちはだかるさち。



治「……なんや?俺今からあなたに
癒してもらうんやからどいてくれへん?」




さち「アカン!今まで黙って見とったけど…
うち聞いたんやからな!?」



治「?聞いた?何の話やねん。」



侑「あなた〜、どやった?
俺、かっこよかったやろ__って
何ギャーギャー騒いどんねん。喧しな。」



さち「あっ、、!来よったな!このケダモノツインズ!!」


『さ、、さち、、?』



侑「なんやねん。」


治「ツムはケダモノやけど俺はちゃうで。」



さち「聞いたで…あんたら……あんたらは……


あなたん事〝抱いた〟んやてな??」))小声



治・侑「は____?」))ポカーン__



侑「ちょお、待っ俺が……?あなたん事?」



さち「せや!!」



治「……なんか勘違いしてへんか?
なぁ、あなた、俺あなたん事〝まだ〟抱いてへんよな?」



『へ?…さっき抱き合ったよね?』


侑「まだてなんやねん!サム!!」



治「……あ。わかったわ。」



さち「何がや……。もうウチのあなたに近づかんといて。」



治「ちゃうて。あなたは純粋に「ハグ」の事やと思っとるだけや。」




『え?ハグじゃなかったの?』



さち「せやったんかぁああ!!
良かったわ……


ほな、近づく許可を出そう。」



ポンッ。


『__!』



そう言ってさちは私の背中をほいっ、と2人の方へ
押して

みよ子んとこ行ってくるから頼んだで!と
向こうへ行ってしまった。



侑「俺あの女苦手やわ……))汗
…抱くとか……想像してしもたやんか。」



治「あなたが純粋すぎんのも悪いんやで、」



『ええ、、ご、ごめんなさい……』



侑「おっしゃ、後は3年のクラスリレーだけやな。

…こっち来ぃや、あなた。」



グイッと私の腕を引き、胡座あぐらをかいた
侑の膝の上に乗せられる。



『ちょ、近いっ……//』


侑「ええやんか〜♡もっと照れてええで?」


治「俺の方が座り心地ええで。」

そう言って隣に座る治。

侑「あ?もう俺んとこに座っとるんや。
俺のもんや。」


治「誰のもんになるかはあなたが決めるんや。
…あなたは俺がええて言うてる!」



侑「言うてへん!」



治「言うてる!!」




『………ねぇ。静かに競技見ようね??』




侑・治「はい。」






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