第68話

65 体育祭編
8,572
2020/05/07 07:15
そして迎えた体育祭当日。



『(いつもより早く着きすぎちゃった)』



教室のドアを開けると、やっぱり誰もいな__





『あっ、』



誰もいないと思った教室には1人の男子生徒がいて、


部活バックからウィダーインゼリーを取り出し
飲もうとしている最中だった。





角名倫太郎くんだ…

あんまり話したことないんだよなぁ、、



角名「…ん?あ、天宮さん。おはよう」




『角名くん、だよね…!おはよう』




いそいそと自分の席へ行き、


とりあえずカバンをかける。





シーン____




『(う……沈黙苦手…………)』






角名「…ねぇ、天宮さんって…
〝あの双子〟のどっちかの事_好きなの?」




『………え?』



角名「…いや、ちょっと気になって。
いつも一緒にいるし…」




『あ、えと…その……2人は特別仲がいい友達で、』




なんだろう……角名くんの目見てると

謎の緊張感というか………))汗




そう言うと彼はふーん、そうなんだ。とだけ言って

また沈黙が流れた





しばらくするとガララッ__と教室のドアが開き、



治が入って来た。




『治!おはよう!』



沈黙に耐えられなかった私にとって治の登場はありがたい…



治「あなた、おはよ。
…?角名と2人きりやったん…?」





角名「なんでショックー、みたいな顔してんの。」




治「あ、
北さんが男バレ招集しょうしゅう係やから
開会式前すぐ集合やて。」



角名「了解〜」





『そっか、部活ごとに係が決まってるんだ…』




治「あなたは選抜リレー以外になんか出るん?」





そう言って隣の自分の席に座る治



『ムカデ競走と、100m走に出る!

…怖いの選抜リレーだけだから………』))ガクブル




治「予行練習でも練習したやんか。

絶対大丈夫や。勝つで!」




『っ…ぁあああ治ぅう!!』



なんて良い子なんだっ……



前から思ってたけども!!




ガララッ__




侑「おはよ〜さん」



パシッ



『いたっ』



入ってきた侑に
体育祭のプログラム表で頭を叩かれる。



侑「今日は絶対〝赤〟に勝つからな」


治「…去年負けたもんな。」


侑「うっさいねん!去年の3年が使えんかったんや!」



『なんてこと言うの侑…))汗』



侑「もうおらんからええやんか!
あと騎馬戦出るやろ?サム」



治「ほんまは出たくなかったんやけど…
おん。」


侑「っしゃ!ぶちのめしたる!」



治「…!

なぁ、あなた」




『ん?どうしたの?』




治「今日、俺らのブロックが勝ったら…

…俺と2人っきりで

〝1日デート〟してや…?」))コソッ





『んん!?えっ…!?//』




治と……1日デート……?!



治「ええやろ??」




『え、あ、わ、わかった。良いよ』



治「ほんま!?頑張れるわ!」



侑「…何の話してるん。」



治「ツムには関係無いやろ」



侑「……あ?」



バチバチッ_と睨み合う2人。




治「…俺に勝ったら教えたるわ。」



侑「もちろんそのつもりや。覚悟しとき」




そう言って侑は私の頭をポンッ、としてほな後でな、
と教室を出ていってしまった。



___________________
稲高体育祭のブロックは


1組が赤、2組が白、3組が青……その他の

色とりどりでクラスごとに分けられる。




体操服に着替え全校生徒グラウンドに集合した。



グラウンドの周りにはテントが建てられ、


みよ子は生徒会の仕事で本部テントまで走って行ってしまった。




さち「今日頑張ろな♪」



『うん!頑張ろうね!』





開会式を終え、ついに種目スタート。



放送「プログラム1番、2年女子100m走に出る生徒は速やかに体育館側のゲートに集まって下さい。」




『じゃあ行ってきます!』



さち「応援してるでー!!ファイトや!!」




さちの応援を背に集合場所へ向かう。



赤色のハチマキを結び直し、整列していると、



治「あなた」



出場者を招集して
整列させていた治に声を掛けられた。



『!治』


治「いっちゃんあなたの事応援しとるからな。
頑張れ」))コソッ




すれ違いざまに耳打ちでそう言われ、

最後に背中をポンッ、と軽く叩いて行った




『ありがとう、治…。

_よっしゃ!1位とるぞっ!』





___________________


「位置について_____よーい___」





パアンッ!!





『っ__!』




全力で走りゴールテープを目指す。



100mといえど気を抜けば追い越されてしまう。




___そして、、





『っ……はぁ…はぁ……』




放送「1位赤ブロック、天宮!2位……」




目指していた1位でゴールし、ホッ……と胸を撫で下ろす。




女子「え……はっや…………顔も完璧なのにスポーツも得意なんだ…!」




男子達「さすが天宮ちゃんや〜♡」





___________________
侑side



招集、整列を終えて

女子の100m走が始まった。



治「……」



隣で真剣な顔をして種目が行なわれているのを

見ているサム。



侑「…なんや、あん中に新しく気になる子でも出来たんか?」



治「アホ、あなたが出るんや。



…あと俺が好きなんはあなたや、変わらん。」



ま、せやろな、と内心し


あなたが出る。

と聞いて俺も秒であなたを探し始める



侑「…!おった」


治「!?よう見つけれたな…あの人数で。」



侑「ふっふ、あなたレーダーや!」



治「なんやそれ、あなたが笑うで。」




数分後、あなたが出る番が回ってきた



「位置について___よーい___」



パアンッ!!





侑「速!?ダントツやん!!」



治「さ…さすがあなたやな……」




あなたが知ってるかは知らんけど…


あの中全国常連の陸上部おるで……?!



侑「アカン……なんであなたは2組じゃないんや…」




治「種目終わったで、はよ次のグループ整列させな。」







放送「続きまして、第2種目、1年生男子による__」




___________________
あなたside



いくつかの種目を終え、さちと一緒に
テント近くの階段に座る。


さち「あなた!次借り物競争やで!」




『借り物競争かぁ…面白そう!』




さち「どっちかって言うと人を借りてく方が
多いんやけどな、…))汗」



『そうなの?』



さち「なんせ稲高うちの体育祭はな…
〝ノリ〟と〝楽しさ〟と〝面白さ〟重視してるんやもん。


…今年もごっつやばいお題が……あのカードに書かれてるんや……!」




そう言いながら遠くに並べられていたカードを指さすさち。




『た、例えばどんなのがあるのかな??』




さち「んー、去年いっちゃんウケてたんは
「ズラ付けてそうな教師」やったなぁ(笑)」





『それ触れちゃダメなやつじゃんか!!』))汗



プリ小説オーディオドラマ