女1「ほんっま、やな顔やわ…!」
拳を振り上げそう言う女。
ああ…殴られる、
そう思った時にはもう遅く、
ドカッ_!!
右頬を殴られてしまった。
痛い所じゃない_もう今にも泣きそうだ。
女4「ほーい、バケツもってきたで〜」
女3「やったれやったれー!」
今度は何されるんだろう…
もう2発ほど殴られた後、
ついに思考も上手く回らなくなって来ていた
バシャン!
『っ……!冷た……』
バケツに入ったみずをかけられ、
ずぶ濡れになる。
女3「あはは!めっちゃオモロい!!
天宮のいまの姿、男子達が見たらドン引きやろなぁ!」
女2「うちカッターももってきたで〜
これでお顔可愛くしたるわ。」
女4「やっば!名案〜」
だんだんとカッターが顔に近づいてくる。
怖い…怖いよ…やめて、、
誰か________『っ__たすけて、』
ガララッ_!!!
勢いよく空き教室の扉が開いた。
そこに立っていたのは____
女4「っ………!宮くん………!」
はぁ、、はぁ、、と息を切らした治くんだった。
ぱっ、と私の方を見るとすぐに駆け寄り、
治「あなた…!?、大丈夫か…!!?」
と、私を抱きかかえ、何度も声を投げかける。
『っ……お、さむくん…だいじょう、ぶ___』
そこで私は意識を手放した。
____________________
治side
部活へ向かうと北さんがまだ来ていなかった。
アランくんに聞くとどうやら補習生(再テスト組)
の面倒を見ていて、それが長引いているらしい。
俺は練習メニューを聞くために3年の教室へ向かっていた。
3階の空き教室の前を通りかかった時、
いつもは使われていないはずなんに…
なんで人がおるんやろ…
不思議に思ったが急いでいたから……俺はその場を後にしようとした。
その時、
『っ………たす…けて……』
治「……!!」
あなたの声だ…!
まさか…と思い俺は急いで空き教室のドアをあけた。
そこに待っていた光景は___
身体中を殴られ、濡れてボロボロになったあなたの姿だった。
治「…………」
全身に湧き立つ怒りと、
もっと速く駆けつけてあげられなかった自分に腹が立った。
急いで抱き抱えるとあなたは安心したような顔をして気を失ってしまった
俺は抱き抱えたままその場にいた女全員を睨みつける。
女1「ち、ちがうんよ、!これは…!」
女2「そうそう!
天宮さん、私達が来た時にはもうこんな感じで…!」
治「黙れや。お前らがやったんやろ。」
女3「っ…だって天宮さんが生意気なこというから…」
治「誰が…生意気やて…?」))ギロ
今にも怒りで押しつぶされそうな感情を
精一杯目でぶつける。
きっと俺は物凄く物騒な顔してるんやろな。
でも、コイツらがやったことは俺にとって絶対に許せへんことや。
女2「っ……だ、だって、、宮くんと天宮さんが仲良くしてるのがいけないんだよ…?」
治「は…そないなことであなたにこんなことしたんか……?ほんま呆れる。」
早くあなたをなんとかせな…
そう思い抱えて教室を出ようとする、
が、女共がそれをさせまいと出口の前に立った。
治「どけ…邪魔や。」
女4「っ…なんで!天宮さんの事なんか庇うん!?
転校して間もない女やん!どうでもええやん!!」
その言葉を聞いた瞬間、
俺の中で何かが切れる音がした…。
治「惚れた女庇うんに理由なんか無いんやボケが…!!!
お前ら…次こんなことしてみぃ、そんときは__
〝殺したる〟で…。」
思いっきり睨むと女は怯み、何も言わなくなった。
教室を出る瞬間、さらに圧がかかるように
最後の言葉を投げる
治「このこと……もちろんツムにも言うから。」
女達「……!!!」
ガララ_ピシャッ!
それだけ言い残し教室のドアを勢い良く閉め
保健室へ急いだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!