治side
侑「あいつ…」
あなたのオトンに何か言われたのか、
ツムがマジのキレ顔になっている。
治「…あなた、」
保健室の先生から許可をもらい、ベッドで眠っているあなたの傍で名前を呼ぶ。
ツムもあとから入ってきて、
「コイツ、ほんまに目ぇ覚ますよな、?」と
俺でもわかる不安げな表情をした。
そんなん__目ぇ覚まさんかったら俺……
どないしたらええねん。
なぁ…あなた。俺はお前に惚れてるんやで、
いつか俺の目ぇ見つめて〝好き〟って言わしたいんや。
せやから__、
治「っ………俺は……」
侑「…?」
先生「治おるか?ちょっと話聞きに来た、」
治「…!先生…」
好きや、、と口に出せなかったまま先生に呼ばれ
俺は保健室を後にした。
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あなたside
誰かに__呼ばれているような気がする。
声のする方に行きたいのに上手く歩けない。
でも…微かに私の〝右手〟には
温もりを感じる。
ゆっくりと瞼を開ければ
そこには見知らぬ天井。
そして次に目に入ってきたのは
私の右手を両手で包み込み、自分の額に添える侑くんの姿だった。
あれ…どうして私はここにいるんだろう?
『あ……つむ…くん…』
侑「ん…、?あなた!?目ぇ覚めたか!!
良かった…、、ほんまに…
心配かけんなや__っ、、。」
今にも泣きそうな顔をし、
私を抱きしめる。
侑くんの胸元は暖かくて、それと同時に
自分に起きた出来事を思い出し涙が溢れてしまった。
『っ……』
怖い…、痛い…もしまたあんな事があったら…、
恐怖で体が震え、呼吸も苦しく感じた
ギュッ_
侑「よしよし…怖かったよな、痛かったやろ…?」
頭を優しく撫でられ、不安が少し揺らいだ。
『っう、、ヒック…怖…かった…っ…。』
侑「もう大丈夫や、あいつらはもうこの学校にはこーへん。それに…これからは俺が、
誰にもお前に傷ひとつつけさせへんから。」
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侑side
『…ごめんね、私がもっと…』
侑「もう何も言うな。黙って抱かれとき。」
あなたの言葉の先はもうわかっていた。
どうせコイツのことやから…
もっと強かったら…とか言うんや。
そんなんとちゃうねん。
ただ俺はお前が強くても弱くても
誰かに傷つけられんのは絶対に嫌や、
侑「なぁ…あなた、」
『ん……?』
侑「お前をずっと___離したないわ。」
俺の言葉は
静まり返る保健室に響いた_。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。