さち「あ、ほらあれ、宮兄弟出てるやん!
やっぱ今年も出るんやな…))汗」
『そう言えば昨日侑が電話で言ってたかも…』
選抜リレーの事でいっぱいで
すっかり忘れてたや…
放送「続きまして全学年男子による借り物競争です。50m走を走り、お題が書かれたカードを引いて借りてきた物、または人と一緒にゴールを目指します。
最後にはお題を発表してもらいます。」
『地味に地獄じゃないか…それ。』
「位置について……よーい!」
パアンッ!!
合図と共に1組目がスタートした。
50mを走りカードを引いて、
人やら物やらを連れて次々とゴールして行く
そして
校長を連れてゴールした男子がマイクの前に立つ。
男子「お題は…植毛してそうな先生!ですッ!!」
校長「ガーン…))…なんでやねん!!」
全校「アハハ!!」
さち「ほらな…これがうちの体育祭や…笑」
『恐ろしや関西ジョーク………』
そうこうしているうちに2組目がスタート
『あっ…侑と治だ!頑張れ〜♪』
女子「宮く〜ん!♡」
女子「宮先輩〜!!カッコイイ〜!」
やはり、女子からの声援は凄まじく
隣に居た女子のグループがきゃあきゃあと騒いでいて
…少し耳が痛い))汗
「よーい!」
パアンッ!!
合図と同時に全力でスタートした双子。
『速すぎでしょ……』
負けじ負けじとお互いに睨み合いながら50mを走りきり、カードを引く。
侑「…!」
治「…」
『ん…?どうしたんだろ、』
カードをめくった2人が一瞬沈黙して
その後____
ダダダダ__
『(えっ、まっ、なんでこっちに突っ込んでくるの!?)』
侑「あなた!ちょお、俺と一緒に来…))」
治「ちゃう、俺と一緒に来てや!あなた!」
『えええ!?待って!?』
さち「ありゃりゃ…笑」
グイグイと2人に両手をひっぱられ、
目の前には
ギャァギャァと言い合う2人。
『いっ、いたいっ!痛いってば!』
さち「ああもうほんなら3人でゴールしたらええやん!」
侑「嫌や!」
治「あなたとゴールするんは俺や!」
侑「はぁ!?俺のが速かったし、何言うてんねん
しばいたろかゴルァ!?」
治「あ??俺の方が速かったわツムより!!」
『………あのねぇ………痛い言うてるやろ……?』ゴゴゴ…
侑・治「!?……スミマセンデシタ……。」
結果3人でゴールまで走り、
3位だった
「それでは、お題を発表してください。」
侑「えーと…
〝異性で1番可愛いと思う人〟
です。」
『…っ!?//』
女子「ええ〜、天宮さんずるい!」
女子「まぁ天宮さんだしなぁ……」
女子「どっちかと付き合ってるって噂だよ?
知らないの?」
女子「うわー、なんか調子乗ってない?」
そんな数々の声が聞こえ、
全校の前に立つのが少しだけ怖くなる。
『(特に女子からの目が……さっ、刺さるう…)』
「赤ブロック宮治」
治「…〝異性で1番守ってあげたい人〟です。」
『なッ……!?//』
なんなのこの2人!?
いや嬉しいけども…!!
ああ…女子からの目が痛いっ…
女子「天宮さんってさ、なんであんな双子と仲良いの?」
女子「さぁー、顔が良いからね〜
あ、金持ってんじゃない?」
女子「うっわ、じゃあ宮兄弟金でつってんの?
こっわー。」
『っ………』
怖い、
聞きたくない言葉を次々と吐かれ、
胸がツキン__と痛む。
またあんな風に……いじめられちゃったらどうしよう、
蘇る恐怖で
涙が出そうになるのを必死でこらえる。
放送「続きまして3組目の_
侑「なぁ」
『……え?侑…?』
放送をさえぎって侑がマイクを掴み、
テントにいる女子達を睨みつけたのだ。
そして__こう言い放った。
侑「なんや…コソコソ言うてるけど…
影でそないなこと言う奴らなんかはなっから眼中に
ないわ。
このクソッタレ豚が。」
『__!侑……』
そして行くで。と私の腕を掴み退場。
『……庇ってくれたんだよね、
あのままじゃ私泣いてたと思う……から、、
ほんとにありがとう//』))ニコッ
侑「ふっふ、当たり前やんか」))ニッ
ポンッ__。
彼は私の頭を撫で、係の仕事へと戻って行った。
治「ふ……
今のだけは……俺の〝負け〟やったわ、ツム。」))ボソッ
『ん…?治何か言った?』
治「いや、__じゃあ俺も係の仕事戻るわ。
ムカデ競走でるんやろ?応援しとるわ」
『ありがとう!係がんばってね!』
___________________
さち「あなたー!ウチらの友情を見せる時が来たで!!」
みよ子「あー、、生徒会ほんまつかれるぅう…」
ようやく2年女子によるムカデ競走が始まる。
集合場所へ向かおうと3人で小走りをしていた
ドンッ___
『っわ、ごめんなさい!!』
誰かとぶつかり、急いで頭を下げる
信介「ああ、あなたちゃんか。
ふ…ようぶつかるなぁ」
『あぁああき、北先輩!?
ごめんなさい…私またぶつかっちゃって……』
首に掛けたハチマキの色をみると「黄色」。
…と、言うことは7組なんだ!
信介「そんなに謝らんでええから、
集合場所行こうとしてたんやろ?
はよ行かな、遅れるで。」
『はっ、はい!じゃあ失礼します!!』
北信介先輩__謎に緊張するんだよなぁ
なんかこう……あの人の前に立つと
背筋がビシッとなるような感覚……
みよ子「あなた〜!いつの間におらんくなってたん!?」
さち「あんたが走るん速すぎなんやで」
___________________
「位置について__よーい!」
パアンッ!!
『せーの!』
いちに!いちに!___と掛け声を合わせ
私、みよ子、さち、クラスの女の子2人の順に並ん
で走り出す。
1組男子「いいぞー!赤ー!」
男子「なぁ、おい見ろ、天宮さんの胸……」
男子「やっべぇ、、!めっちゃ揺r))バシッ!
痛っ!何すんねん宮!」
治「ええから…応援せぇや。」
『もう少し……!頑張れ!』
みよ子「…うわっ!さち!うちの縄踏んどる!」
さち「あっ、ごめんやで…__っ_!?」
ドンッ
横から来た他チームに押され
体制が崩れる_____
ドシャッ_!!
『っ……!』
その瞬間全員が一気に倒れ込み、
私は____5人の下敷きになってしまった。
みよ子「っいたた……あっ、あなた!?
大丈夫!?…さち、早う立ち上がらんと…!」
さち「アカン……上の2人がまず立たんと
ウチも立てん…!」
女子「ごめん、今立ち上がるから…!」
そして全員何とか体制を持ち直したが
次々と追い越されてしまっていたようで、
先頭はもうゴール直前だった。
……でも
『まだ……っ……負けてない!!』
みよ子「……!あなた…」
さち「よっしゃぁ!!行くで!!」
「「せーの!!」」
いちに、いちに、とまた声を合わせて全力で
足を動かす。
そして___
「2位でゴールしたのは__赤ブロック!」
『や__やったぁ!!』
みよ子「やった……順位入れた…しかも
5クラスも抜いたんやで…!!」
さち「あなたがあの時まだ負けてない!言うてくれたから…ウチらも頑張れた!
ありがとな、あなた!」
『ううん、皆で頑張ったんだよ!
やったね!』))ニコッ
「___チッ、せっかく押したんに。」
「なぁ……どないしたら天宮さんと宮くん達
引き離せると思う?」
「ん〜、〝信頼〟を崩す__とか??」
「あははっ_ええなぁ
それ。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。