第69話

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2020/05/07 01:24
さち「あ、ほらあれ、宮兄弟出てるやん!
やっぱ今年も出るんやな…))汗」



『そう言えば昨日侑が電話で言ってたかも…』


選抜リレーの事でいっぱいで

すっかり忘れてたや…



放送「続きまして全学年男子による借り物競争です。50m走を走り、お題が書かれたカードを引いて借りてきた物、または人と一緒にゴールを目指します。

最後にはお題を発表してもらいます。」




『地味に地獄じゃないか…それ。』




「位置について……よーい!」



パアンッ!!





合図と共に1組目がスタートした。



50mを走りカードを引いて、


人やら物やらを連れて次々とゴールして行く



そして




校長を連れてゴールした男子がマイクの前に立つ。



男子「お題は…植毛してそうな先生!ですッ!!」



校長「ガーン…))…なんでやねん!!」



全校「アハハ!!」



さち「ほらな…これがうちの体育祭や…笑」



『恐ろしや関西ジョーク………』




そうこうしているうちに2組目がスタート



『あっ…侑と治だ!頑張れ〜♪』



女子「宮く〜ん!♡」



女子「宮先輩〜!!カッコイイ〜!」



やはり、女子からの声援は凄まじく



隣に居た女子のグループがきゃあきゃあと騒いでいて


…少し耳が痛い))汗




「よーい!」



パアンッ!!



合図と同時に全力でスタートした双子。



『速すぎでしょ……』




負けじ負けじとお互いに睨み合いながら50mを走りきり、カードを引く。




侑「…!」


治「…」



『ん…?どうしたんだろ、』



カードをめくった2人が一瞬沈黙して



その後____




ダダダダ__



『(えっ、まっ、なんでこっちに突っ込んでくるの!?)』



侑「あなた!ちょお、俺と一緒に来…))」



治「ちゃう、俺と一緒に来てや!あなた!」




『えええ!?待って!?』



さち「ありゃりゃ…笑」


グイグイと2人に両手をひっぱられ、


目の前には
ギャァギャァと言い合う2人。




『いっ、いたいっ!痛いってば!』


さち「ああもうほんなら3人でゴールしたらええやん!」



侑「嫌や!」


治「あなたとゴールするんは俺や!」


侑「はぁ!?俺のが速かったし、何言うてんねん
しばいたろかゴルァ!?」




治「あ??俺の方が速かったわツムより!!」




『………あのねぇ………痛い言うてるやろ……?』ゴゴゴ…




侑・治「!?……スミマセンデシタ……。」




結果3人でゴールまで走り、


3位だった



「それでは、お題を発表してください。」



侑「えーと…


〝異性で1番可愛いと思う人〟

です。」



『…っ!?//』





女子「ええ〜、天宮さんずるい!」


女子「まぁ天宮さんだしなぁ……」


女子「どっちかと付き合ってるって噂だよ?
知らないの?」



女子「うわー、なんか調子乗ってない?」





そんな数々の声が聞こえ、



全校の前に立つのが少しだけ怖くなる。



『(特に女子からの目が……さっ、刺さるう…)』




「赤ブロック宮治」



治「…〝異性で1番守ってあげたい人〟です。」




『なッ……!?//』




なんなのこの2人!?



いや嬉しいけども…!!





ああ…女子からの目が痛いっ…




女子「天宮さんってさ、なんであんな双子と仲良いの?」




女子「さぁー、顔が良いからね〜
あ、金持ってんじゃない?」




女子「うっわ、じゃあ宮兄弟金でつってんの?
こっわー。」





『っ………』




怖い、



聞きたくない言葉を次々と吐かれ、



胸がツキン__と痛む。




またあんな風に……いじめられちゃったらどうしよう、




よみがえる恐怖で

涙が出そうになるのを必死でこらえる。




放送「続きまして3組目の_




侑「なぁ」




『……え?侑…?』




放送をさえぎって侑がマイクを掴み、



テントにいる女子達を睨みつけたのだ。




そして__こう言い放った。




侑「なんや…コソコソ言うてるけど…

影でそないなこと言う奴らなんかはなっから眼中に
ないわ。

このクソッタレ豚が。」




『__!侑……』




そして行くで。と私の腕を掴み退場。




『……庇ってくれたんだよね、

あのままじゃ私泣いてたと思う……から、、


ほんとにありがとう//』))ニコッ



侑「ふっふ、当たり前やんか」))ニッ




ポンッ__。





彼は私の頭を撫で、係の仕事へと戻って行った。







治「ふ……
今のだけは……俺の〝負け〟やったわ、ツム。」))ボソッ




『ん…?治何か言った?』





治「いや、__じゃあ俺も係の仕事戻るわ。

ムカデ競走でるんやろ?応援しとるわ」




『ありがとう!係がんばってね!』





___________________


さち「あなたー!ウチらの友情を見せる時が来たで!!」



みよ子「あー、、生徒会ほんまつかれるぅう…」




ようやく2年女子によるムカデ競走が始まる。




集合場所へ向かおうと3人で小走りをしていた



ドンッ___




『っわ、ごめんなさい!!』


誰かとぶつかり、急いで頭を下げる



信介「ああ、あなたちゃんか。
ふ…ようぶつかるなぁ」



『あぁああき、北先輩!?
ごめんなさい…私またぶつかっちゃって……』



首に掛けたハチマキの色をみると「黄色」。


…と、言うことは7組なんだ!



信介「そんなに謝らんでええから、

集合場所行こうとしてたんやろ?
はよ行かな、遅れるで。」




『はっ、はい!じゃあ失礼します!!』




北信介先輩__謎に緊張するんだよなぁ



なんかこう……あの人の前に立つと

背筋がビシッとなるような感覚……



みよ子「あなた〜!いつの間におらんくなってたん!?」



さち「あんたが走るん速すぎなんやで」




___________________


「位置について__よーい!」


パアンッ!!


『せーの!』



いちに!いちに!___と掛け声を合わせ



私、みよ子、さち、クラスの女の子2人の順に並ん
で走り出す。





1組男子「いいぞー!赤ー!」



男子「なぁ、おい見ろ、天宮さんの胸……」



男子「やっべぇ、、!めっちゃ揺r))バシッ!

痛っ!何すんねん宮!」


治「ええから…応援せぇや。」





『もう少し……!頑張れ!』



みよ子「…うわっ!さち!うちの縄踏んどる!」



さち「あっ、ごめんやで…__っ_!?」




ドンッ




横から来た他チームに押され



体制が崩れる_____



ドシャッ_!!




『っ……!』


その瞬間全員が一気に倒れ込み、



私は____5人の下敷きになってしまった。



みよ子「っいたた……あっ、あなた!?
大丈夫!?…さち、早う立ち上がらんと…!」




さち「アカン……上の2人がまず立たんと
ウチも立てん…!」



女子「ごめん、今立ち上がるから…!」




そして全員何とか体制を持ち直したが




次々と追い越されてしまっていたようで、

先頭はもうゴール直前だった。




……でも






『まだ……っ……負けてない!!』



みよ子「……!あなた…」


さち「よっしゃぁ!!行くで!!」




「「せーの!!」」





いちに、いちに、とまた声を合わせて全力で
足を動かす。




そして___





「2位でゴールしたのは__赤ブロック!」




『や__やったぁ!!』



みよ子「やった……順位入れた…しかも
5クラスも抜いたんやで…!!」



さち「あなたがあの時まだ負けてない!言うてくれたから…ウチらも頑張れた!

ありがとな、あなた!」




『ううん、皆で頑張ったんだよ!

やったね!』))ニコッ








「___チッ、せっかく押したんに。」



「なぁ……どないしたら天宮さんと宮くん達
引き離せると思う?」




「ん〜、〝信頼〟を崩す__とか??」









「あははっ_ええなぁ



それ。」

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