〜文化祭編前の番外編です。〜
(一学期の期末テスト編)
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あなたside
時は遡り夏休み前の期末テスト。
私の目の前には
頭を真剣に悩ませている双子が。
治「なぁ…ここどうやって解くん?」
『あ、それはここの公式を使って…』
侑「アカーン!!もうダメや……!
あなた〜俺の代わりにテスト受けてや〜」
そう言ってまるで猫のように
私に擦り寄って来る侑。
『あのねぇ…そんなこと出来るわけないでしょ。
大体授業聞いてれば赤点は取らないはずだよ!?』
侑「うっ……俺かて一生懸命…」
治「寝てるやんな。」
侑「うっさいわ!!クソサム!」
『あーもう、騒がないで!』
〜2時間後〜
侑「……やっと最後の範囲まで終わったわ……」
治「ありがとな、あなた。」
『お疲れ様、テスト頑張ろうね!』
これだけやったんだから、2人も赤点を取ることは
無いだろう。
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〜テスト返却〜
『あっ!侑〜!テストどうだった?
特に数学!』
侑「あっ…えっと…その……」
廊下で侑に声をかけると、
何やら白い紙を後ろに隠すようにして立つ。
『(何か隠した…?)』
ヒョイッ、っと素早く奪って目を通すと、
『数学………30点?
………危なッッ!?』
侑「ごめんやてその…せっかく教えてくれたんに
そんくらいしか取れんくて…」
申し訳無さそうに下を向く侑。
『ふふ……何言ってるの!』
侑「えっ?」
『もともと赤点回避が目標だったでしょ?
ちゃんと達成出来たんだから、
___いいじゃん!』))ニコッ
侑「…!あなた〜))泣」
『私も侑の学習能力に合わせた
赤点回避するための勉強の教え方だったから!』
侑「ありがとな!
…ってちょっ待っ…それって
遠巻きに俺ん事バカにしてへんか…?」
『えっ?してないよ?』
侑「そういやサムは?アイツ何点やったん?」
『ええ、私の口から言っていいのかな、』
侑「ええやんか!俺ら兄弟やし!」
…そういう問題なのか、と思いつつ、
『確か60点だったって言ってたよ』
と言うと
侑「なっ……俺の……2倍……やて、、?」
嘘やァァァ!!と言って走ってどこかへ行ってしまった。
『ふふ、
…でも、赤点はひとつも無いみたいで良かった。』
これで思う存分合宿にも行けるね、侑。
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〜テスト明けの打ち上げ(?)〜
宮家にて。
今日は勉強のお礼にと、
夕食をご馳走になることになった。
『すみません、何度もお邪魔しちゃって…』
宮母「ええんよ〜!あなたちゃんが遊びに来てくれておばちゃん嬉しいで!
(↑あわよくば息子のどっちかと付き合うてほしい)」
治「あなた、飲みもん用意したから、
後は皿運ぶの手伝うてくれるか?」
『わかった!…あっちの方だよね?』
台所に行き、用意してあったお皿をテーブルまで運ぶ。
宮母「治ー、ソース切れたから新しいやつ出して〜」
治「おん」
『あれ?侑は?』
そう言えば侑がいない。
宮母「多分自分の部屋で寝てると思うわ(笑)」
『そうなんですか、
…そろそろ起こしてあげた方がいいですよね、』
宮母「悪いなぁ、ほなあなたちゃん
起こして来てくれる?」
『わかりました!』
階段を上がって侑の部屋へ向かう。
トントン_
『侑ー?夕飯の時間だよ〜』
何度も声をかけるが一向に出て来ない。
『…しょうがないなぁ、』
ガチャッ_
部屋へ入るとベッドの上で爆睡中の侑がいた。
近寄って体を揺すりながら声をかける
『起きてー、夕飯食べないの?』
侑「んぅ……あなた…?」
寝ぼけているのか、薄らと目を開けてへにゃっ、と笑う彼。
『そうだよ、早く起きて!』
侑「あなたが俺ん事起こしにくるとか……
おもろい夢やなぁ………」
グィッ___
『っ_わ!?』
突然ベッドの方へ引き寄せられ、
ぎゅうう、と抱き枕のように抱きしめられる。
『ちょっ…//!?離して!?』
侑「ふっふ…ええ夢やなぁ……
せや……好き放題やってええんよな……」
『!?(ほんとに寝てるの…?!)』
侑「んふふ、可愛ええなぁ〜♡」))ちゅっちゅっ。
『なっ…!?////いやっ……助けて!!//
治ぅぅうう!!』
バァンッ!!
治「あなた!?どうしたん…!!って……
ツム……てめ……」
『助けてください……がっしりホールドされてて…』
治「いつまで寝ぼけてんねん!!このポンコツ!!」
バシッ!!
侑「あだっ…!?なっ……えっ…夢や無かったん……?」
我に帰ったのかすまん…!と言って私を離してくれた。
『もう……ご飯だってずっと言ってたんだよ。』
治「アホは置いてさっさと飯食い行こや〜」
侑「ちょぉ待てや、!!」
『ふふ…やっぱり
賑やかだなぁ、。』
____番外編 END____
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。