侑「よっしゃ、解けたで!」
『じゃあ、あってるか答え確認してみて!』
勉強を初めてから1時間半。
侑はようやくテスト範囲の真ん中のページまで解き終わり、
私の隣で丸つけをしている。
治はと言うと…
治「……………」
『治…?おーい??』
解くスピードは侑よりも速かったため、
「治なら大丈夫だね!」と目を離していた隙に
睡魔に襲われていたようだ……
『治くーん、起きてー』
治「んん……」
体をゆすっても一向に起きる気配無し。
序盤で頭を使いすぎたかな…
『治ー?治、ねぇってばー、起きて〜』
侑「………」
何度も名前を呼んでも起きない…))汗
『しょうがないなぁ、、』
侑「……なぁ、」
『んー?』
グイッ_!
『ちょ、っ』
体ごと引き寄せられ、
_後ろ向きに侑の膝の上に乗せられた状態に。
『なに…?丸つけ終わったの__っん。』
チュ……といつもより長めのキス。
たまらなくなって、『!?』と侑を見ると
少し拗ねたような顔をしていた。
侑「自分……俺の前で他の男の名前連呼すんなや。」
『え……他の男って………治が寝ちゃってたから呼んだだけで…』
侑「それでも嫌や!」
ギュッ、と抱きしめてまるで子供のようにだだを捏ねられる…
『もう………わかったから、、』
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侑side
治「ん……あ、あかん、、寝てもうてた。」
『あ!やっと起きた…』
サムが顔を上げた瞬間、
パッ、と俺から離れてサムの方へ行く彼女。
分かってへんやんッ!と内心思いながらも
俺らの為に毎回問題集作って
赤点取らんように応援してくれとるん知っとるし…
まぁ許したろ…。
侑「お…、ちょお見てや!あなた、俺前より丸の数
増えた!」
『ほんと?よく頑張りました!』))ニコッ
小さい事でもすぐ笑って褒めてくれるし…
侑「(ああもうほんまに好きや…♡)」
治「ツム……ニヤニヤして気持ち悪いで。」
侑「あ…?してへん!!」
治「いや、ニヤニヤしとったやん。」
侑「してへんて!!」
『侑…ちょっと静かにして?』
侑「…ハイ。」
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あなたside
夕方。
治「やっと終わった……」
『お疲れ様。』))ニコッ
治「今回もありがとうな、あなた。」
『どういたしまして、テスト頑張ろうね!』
玄関で靴を履き、お邪魔しました〜と宮家を出る。
ガチャ__
『ん……?侑、どうしたの?』
侑「家まで送るわ。」
『ありがとう笑_って、目の前だけど、、』
侑「ふっふ、もうちょっと一緒におりたいんやもん。」
『…そっか、ありがとう。』
玄関の前に着き、しばらく他愛ない話をした後、
また明日ねと侑に手を振る。
侑「おん、また明日。」
『うん!』
___パタンッ。
『さて……もう少し頑張ろうかな、。』
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2週間後___
先生「席つけー、テスト返すで。」
クラス「「ええ〜」」
先生「ええ〜やないでお前ら!しっかり勉強せぇ!
ほな、天宮〜」
『はい。』
先生「学年1位や、おめでとさん。」
『あ…ありがとうございます、、。』
渡されたテストは__すべて満点。
内心ほっ、として席につく。
先生「宮〜」
治「ほーい。」
『治、どうだった?』
戻って来た治にそう聞くと、「全部赤点回避出来たで〜」と
笑った。
『良かったね!侑はどうかな、、』
治「ツム珍しく夜遅くまで数学やっとったからな。」
『_!ほんと?』
治「おん。ほんまに珍しい光景やったわ。」
キーンコーン___
『あ、チャイム鳴った…
じゃあ、私侑にどうだったか聞いてこようかな。』
教室を出て2組へ向かう。
ガララ…
男「おぁ!天宮ちゃ〜ん♡♡どうしたん?2組になんか用?」
男「ほんま可愛ええなぁ〜!」
『あ…えと……侑いるかな、、?』
男子「宮?あー、ちょっと待ってな。
おーい宮__!」
侑「あなた?どないしたん。寂しなって会いに来たんか?」
『会いに来たのは正解だけど……笑
テスト、治が勉強頑張ってたって言ってたから、
どうだったのかなーって。』
侑「あ!せや!言うの忘れとった、
俺な、数学80とったんやで!凄ない!?」
『え………………』
侑が…………
80!?
『ええ!凄い!!頑張ったんだね!』))ニコッ
よーしよし、と侑の頭を撫でる。
侑「ふっふ、もっと褒めてや〜」
『よく頑張ったね!偉い!』
女「(うわ……宮あつの照れ顔初めてみた……)」
女「うちらには絶対あんな顔しないよねー、、」
侑「…何見てんねん。」
女「「ヒイッ……))恐」」
侑「なぁー、なんかご褒美頂戴や…」
『ご褒美…?うーん、、わかった。1つね!』
侑「_!(よっしゃ…)
じゃあ………今度の休み、2人っきりで泊り会しようや。」
『……え。』
なんかこのパターンデジャヴ……
ああ……でも今度は侑と2人っきり……
『………ちなみに、、どこで?』
恐る恐る聞くと「もちろん、自分の家やで?」と
言われてしまった。
『うーん、、父さんが仕事だったらいいんだけど……
でもなぁ、、』
侑「ええやん〜
お家デートしようや。な?」
『わかった、わかったから…/』
彼の押しに結局負けてしまい、
今度の休みは侑と2人っきりでお家デートをすることに。
『(まぁ………楽しみ……ではあるけど……/)』
______________________
昼休み。
侑は昼練があるから、
今日はさちとみよ子と3人で食べる。
さち「なぁ、あなた。宮あつと付き合うてもうすぐ1ヶ月やんか?」
『うん、それがどうかしたの?』
みよ子「もうキスとかしたん?♡」
『ゴフッ_!!』
突然の質問にお弁当のおかずを噎せてしまった…
さち「その反応は……!」
みよ子「したってことやな〜」
『も…もう……何言って…笑』
さち「あー、でも宮あつのことやから
手ぇ出すんも早そうやな。」
みよ子「あー、、経験豊富そうやもんな。アイツ。」
『ええ、なんのこと??』
さち「あなた……も、、もしかして……もう「アレ」も
してもうた……?」
青い顔になって私の肩をガシッと掴むさち。
え…アレって何………?
『な、なんの話…?』
みよ子「最近の子ぉはすぐアレするからな。」
さち「みよ子…そういうあんたは?」
みよ子「なっ!?うちはまだや!!あほ!!//」
『ねぇー、、アレって何!?』
さち「まさか……ほんまにわからへんのん?」
『え…う、うん。なんのことだかさっぱり……』
みよ子「あ…そうやん、あなたってかなりの純粋やし…
お手の早い宮あつのためにも、、ちょっとは「知識」もっといた方がええんちゃう!?」
さち「ちょ、みよ子!変なこと吹き込んだらアカンて…」
するとみよ子は自分のカバンから何やら大きめのナップサックを取り出し、私に「これ!今流行りなんやで!」と渡す。
『何が入ってるの?開けていい?』
みよ子「あー、ここでは開けたらアカン!
「少女漫画」なんやけど、家で見てな?」
さち「あー、あれやろ?最近漫画版でた小説のやつ。」
みよ子「せや!ほんまに人気なんやで〜
これ読んだら「アレ」のこと全部わかるわ!」
『なるほど……よく分かんないけど読んだらいいんだね!』
漫画はあんまり読んだこと無かったけど…
家に帰って読んでみよーっと。♪
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家にて。
さっそく、部屋着に着替えて
みよ子から借りた漫画を読んでみることに。
シュル…と紐をひっぱり中身を取り出す。
『んーと……「クラスのイケメンと㊙恋愛中」…?
凄い題名……))汗』
読む前から題名に圧倒されたんだけど……
まぁ、人気だって言ってたし!
きっと面白いんだろうな〜
パラ、と1ページ目から読んでいく。
『へぇ……ほうほう………ん?』
開くこと10ページ目。
そこに描かれていたのは、__教室にいたヒロインの女の子を
床に押し倒す男の子。
『えっと……//いや、まぁ、、最近の漫画だし…/』
パラ…パラ……と次のページをどんどんめくっていく。
〝あっ……だめ……♡〟
〝そんなにエロい顔して……ここがいいんだろ…?〟
『……ほ……ほぇ……、、!?//なっ…!?』
めくるほどにどんどん過激になっていく……
___パタン!
さすがに読むに耐えなくて、急いで漫画を閉じ、棚の上に
隠した。
『こ……こんなの……//読めないよ…!!』
さちとみよ子が言ってたことって……このことだったんだ…
え…、ちょっとまってよ……?
そう言えば「お手の早い宮あつのためにも…」とか言ってたよね…?
『……私と……侑が……あっ、、アレを……!?//
ひゃぁあああっ…//』
むりむりむりむり!!恥ずかしくて……死んじゃう……
『……みんなやってるのかな……』
私も………した方がいいの……?
しない方がおかしい!?
ぇええええ……!!どうしたらいいの!?
『あ…待って……今度の休み、、侑が泊まりに来るんだ……』
もし……あんな展開になったら……
いやいやいや!何考えてるの私!!
侑に失礼じゃん!!
『よし……
___忘れて勉強しよう。』
そしてすっかり忘れた頃に、
お泊まり会はスタートするのであった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!