連休1日目___朝。
いつもより遅く起きてしまった
スマホを見ると治くんから「行ってくる。」とLINEが入っていて、
「頑張ってね!応援してる。」と返して
またベッドへダイブした。
『はぁあ…』
正直、あんな事があった後の連休はありがたい。
さちとみよ子以外の女子が__みんな怖く見えてしまうだろう、。
『もっと強くならないとな…』
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時は過ぎ昼頃。
〜♪〜♪
着信中: 宮 侑
『侑くん?どうしたの?』
侑「よぉ、今自主練終わって帰ってるとこやねん。
体の具合どうや?」
『お疲れ様!
怪我は…昨日より痛みがひいたよ。』
侑「さよか、ほんならええ。
今から会えん?ってかもう家の前おるんやけど。」
『え……!会えるけど…
あっ待って着替えてない!!』
侑「いや別に着替えんでもe))」
あ、、侑くんがなにかを言いかけてたけど
電話きっちゃった←
そして急いで着替えた後、すぐに玄関を開けた。
侑「お前なぁ、通話中にいきなり切んなや。」
『う…ごめんなさい。』
まぁええわ、と言って彼は帰りがけに買ったんやけどとリンゴジュースをくれた。
侑「歩くの…まだ辛いん?」
『ううん、もう普通に歩けるよ。
…今1番痛むのは顔のアザかな(笑)』
侑「散歩でもしようや_って言おうと思たんやけど
無理させるわけにはいかんから…
どうする?」
『行く!』
私がそう言うとよっしゃ、ほな行こかと
私の手を引く。
侑「今頃あいつら試合中なんやろなー」
はぁ……とため息をつく彼。
『次のテストではこんな事にならないようにしなきゃね?))ニコッ』
侑「せやな、また頼むわ。」
『えっ…』
会話をしながらしばらく歩いていると
公園についた。
遊具は少し錆び付いていて、
人1人いない。
侑「小さい頃ここで良くサムとバレーやってたんやで、今はこんなんなってしもとるけどな笑」
『そっか…私家の近くに公園があるなんてしらなかったな。』
近くにあったベンチに腰掛けると
サァ__。と春風が心地よかった。
ふと侑くんを見ると…どこか懐かしそうに遠くを見つめている。
その横顔は整っていて、ああこれはモテるよね。と確信してしまう。
じっ…と見つめているとなんや、そんな俺の顔見て。と笑った
侑「俺の事かっこいいって思てたん?))ニヤリ」
『っ…///!?思ってません!!』
侑「なんや顔赤くして。やっぱ思ったんやろ?」
そう言って彼はいきなりぎゅーっと私を抱きしめる。
侑「ほらな…もっと真っ赤になった」
『ッ…//からかわんといて!!』
あっ……!しまった。
ずっと隠していた関西弁が…!!
そう、私は東北に行く前に関西弁は封印しようと
心に決め、それ以来ずっと使っていなかったのだ。
もちろん父さんの前ではずっと標準語。
『あっ……』
しまった、と顔を伏せると
何も言わなくなった侑くん。
不思議に思ってゆっくりと見上げると
そこには……
顔を片手で隠し
そっぽをむいている彼の姿があった。
あれ、、少しだけ耳が赤いような……
侑「っ……//あなたの関西弁……
可愛いすぎや、。//」
『へ!?』
こんなことを言われたのは初めてだ。
侑「なぁ…もっかい!もっかい言うて〜」
『いやだ!』
侑「なんでや!」
『絶対嫌!』
そんなやり取りがしばらく続き、
気づけばここへ来て1時間近くたっていた。
『もう1時間経つんだ…』
侑「せやな、そろそろ戻ろか。」
『うん!』
〜♪〜♪
『あ、ちょっとごめんね、電話だ。』
見てみると父さんからだ。
うわぁ……なんだろ、、
『もしもし。』
「やぁ、突然だけど明日、
〝向こうの方々〟と食事会をするから、明日の8時、準備をして待っていなさい。」
『っ……はい。』
ピッ。
向こうの方々__つまり母さん達だ。
やだなぁ……
侑「なんや、顔色悪いで?もしかして…オトン?」
心配した顔をして私の顔を覗き込む侑くん。
『うん…明日父さんと一緒に母さん達と食事会なんだ…』
侑「あなたのオカンか、、
(絶対美女確定やんか…見てぇえ…)」
『特におじいちゃんには会いたくない、、』
侑「なんでやねん。嬉しいやんか!
小遣いとかくれそうで。」
『そんなんとちゃうわ!…あっ!また…』
侑「ふっふ、可愛ええ…」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。