『ほら!早く終わらせようよ。』
私の膝を枕にして寝ている宮兄弟の両頬を両手で
つつく。
侑「じゃあ……数学の課題終わらせたら
なんかご褒美ちょーだいや。」
治「_!ええなぁ、それ。」
『ご褒美かぁ…うーん、、』
それで2人が頑張ってくれるなら…と思い、
いいよ!わかった!と言うと
ウェーイ!と言って机に向かい始めた。
『(え…さっきと全然違う…)』
真剣な表情で課題に取り組む2人。
その後_2時間かけて
数学の課題を全ておわらせたのだった。
____________________
『やれば出来るじゃん!!
よく頑張ったね2人とも。』))ニコッ
侑「あぁー、肩こったわ。
…ほな、約束の〝ご褒美〟といこか__?」))ニヤッ
『__!?』
ドサッ
私をすぐ側にあったソファーに押し倒し、
Sっ気な笑みを浮かべる侑くん。
『っ…な、何…?/』
侑「ふっふ、ちゅーしてや?あなた。」
なッ……何を言い出すかと思えば……
『なんでそうなるの!?』
侑「ご褒美くれる言うたやん。」
治「何自分だけ貰おうとしてんねん
俺かてあなたにご褒美もらうんや。
せやから…先に俺にキスして…?な、あなた。」
侑「アカン、俺が先や」
治「俺や。」
『もう……!他のことにしてください!!』
そう言って全力で侑くんを押しやり、離れる。
侑「んー…あ。せや!海行こ!暑いし。」
治「…なんで急に海やねん…
まぁ暑いんは暑いけど、、」
『__!海行きたい…!』
でもそれのどこがご褒美になるんだろう??
と思ったのもつかの間、
爆弾発言をしだす彼。
侑「……やから、海と言えば……??」
治「海……あ、、水着や……!」
『へ……?ナンデソウナルノ?』
まさか____
侑「あなたの水着姿見たいわぁ…
キスだめや言うたし…これならええやろ〜?」
治「っ_//めっちゃ見たい……」
やっぱりそう来たかッ…
『う………(でも…確かに約束しちゃったもんなぁ…))汗』
グイッ___
突然侑くんから顎に手を添えられ、
顔を近づけられる。
侑「ふっふ、なぁ……どうする……?
今俺に自分からちゅっちゅするか__それとも…」
『っ__///わ、わかったよ!
海行こ……、着るから…』
侑「よっしゃ、決まりやな。
(ほんまは俺からキスしても良かったんやけど…)」
治「そもそもあなたは水着持ってるん?」
『あ、この間宮城にいる母さんから
送って貰ったのがあるんだ。
…でもどんなのかまだ見てなくて……』
夏休みの始め頃に
「あなたに似合うと思ったの♡」との手紙が添えられて送られて来たのだ。
侑「ほんならそれ着てきたらええやんな?
あ、サム……俺水着どこやったっけ……」
治「自分部屋の片付けしてる時見つけて
ふざけて履いてたやん。…俺は知らんで。」
侑「ちょお、探してくるから、
今から出たら昼ぐらいには海水浴場着くやろ?」
『そうだね、じゃあ10分後、家の外で待ち合わせしよっか。』
治「おん!じゃあ、また後でな」
そう言って2人と別れ、自分の家へ戻った。
__________________
家にて。
母さんから送ってもらった水着を着るために
箱を開けている最中。
多分この水着は海外のブランド物だろう。
箱に見覚えのあるロゴが描かれている。
『あっ、開いた!__って、え。』
入っていたのは
白の可愛らしく、大人っぽいフリルのついた水着。
こんなの私…似合わないって母さん…))泣
でもこれしかないし、、着るしか無いよね…
思い切って水着を着てみると
サイズは問題無かったが、やっぱり少し恥ずかしい。
時間もあまり無かったから
上から濡れても大丈夫な上着を着て、
短パンを履き、その他着替えなどを用意してミュールで外に出た。
『ごめんね、お待たせ!』
侑「ほな、行こか!」
治「海食いもんあるかな、」
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〜海へ到着〜
侑「うわ…人ぎょーさんおるなぁ…」
治「ここ県内でも人気やからな。」
『(あっ…日焼け止め忘れてた…
塗らなきゃ。)』
そう思いバックから日焼け止めを取り出し
パカッ、とキャップを開ける。
侑「ん?なんや、日焼け止めかいな。」
治「俺が塗ったるで?」
『自分で出来るから…大丈夫だよ笑
2人も使う??』
侑「…せやな、貰うわ。」
治「ほーん、焼けるん気にしてるんか?」
侑「うっさいわ!!」
『はいはい、どうぞ〜』
そう言って侑くんと治くんにも日焼け止めを貸し、
全員が塗り終わった所でついに海へ___
治・侑「ウェーイ!」
バシャァンッ!!
海パン姿になった2人が一気に海へ飛び込んだ。
侑「なにしてんねん!早う服脱いで
こっち来ぃや??」
『う…わ、わかってる、、けど、、!』
治「恥ずかしいん?
…俺が脱がしたろか?」
いつの間にか背後にいた治くんにそう言われ
大丈夫ですッ!!と慌てて脱ぎ始める。
『う……ど、、どうかな……
へん……?』
侑・治「……」
ポカーン…と私を凝視したまま何も言わない2人。
『やっぱり変だよね…
……っ恥ずかしい…//』
パサッ
突然___治くんがさっき脱いだ上着を
もう一度私にかけた。
治「っ……//……こんな可愛ええの……
他の奴に見せたらアカン……//」
『えっ……?』
侑「っ…/すまん…見たい言うたん俺らやけど……
やっぱ__他の奴らに見せんといて……?」
『ちょ、2人とも……/』
私を隠すように傍に近づき
周りをキョロキョロと見回しはじめる双子。
可愛い……って言ってくれたのは凄く嬉しいんだけど…
とりあえず……
『近すぎません……?』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。