第70話

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2020/05/08 15:14
『痛っ……』

退場している途中、膝の痛みに気づく。


無我夢中になってたから
怪我したことに気づかなかった。


さち「あなた、大丈夫か…?
救護テント行こ!」



さちと一緒に救護テントへ向かう



傷口を洗っていると、後ろから双子がやってきた。


治「あなた、怪我したん?」



『…うん、大したことないけど笑』



侑「アホやな〜」


『うるさいっ。』



治「血…ダラダラやんか、椅子まで歩けるん?」



『大丈夫だよ!骨折してるわけでもないし、』



さち「膝上げて歩かんと、血ぃ垂れてまうかもな、」



侑「ほんなら俺らが椅子まで抱えたるわ。」


治「せやな」



『えっ…ちょ、待っ))』


2人の肩に手に腕を回すようにされ、

一気に抱え上げられる。



侑・治「せーの」



ヒョイッ



『はっ……恥ずかしい!!』



侑「なんでやねん、俺らの仲やろ〜?」


治「ほら、もっと足上に上げんと血ぃ垂れてまうで」



『うう……』



よいしょ、と椅子に降ろしてもらい、



救護係が消毒液と大きめの絆創膏を持ってきてくれた




救護係1年男子「(天宮先輩だ…かわいい……)
じゃあ消毒しますね!」



侑「ちょ、待て。…自分男やん。」



救男「(げっ、宮兄弟…)

いや、でも!俺救護係なんで!」




侑「はぁ〜?アカン。
あなたの膝に触れていいんは俺だけや!」



治「あ、ほな俺やったるわ。」



侑「せやから!俺が__!!」




さち「(やかましなぁ…)」



『なんでもいいから早くして…))泣』←消毒嫌い





チョン_チョン。



『…へ?』



当然誰かに消毒液を
染み込ませたガーゼで膝をちょん、とされる。




ペタン___。



信介「_よし。これでええ。」


治「!?」


侑「あーっ!!き、北さん!?いつの間に!?」



信介「…声かけたんやけど、聞こえてへんかったみたいやな?」



治・侑「スンマセンシタッ!!」



信介「同級生が怪我したから、ここまで運んで来たんや。
…あと、手当するならさっさとしぃや。
後がつっかえるやろ。」




『すみませんでした……ありがとうございます』




信介「ええよ、
赤チーム派手に転んどったん俺も見とったわ。」




『あはは…、でも最後までゴール出来たので
良かったです!』))ニコッ



信介「……ポジティブやなぁ」



侑「(アカン…北さんがあなたの笑顔を見て惚れてまうかもしれん、、!)」



治「(ツムのやつどうせ北さんがあなたに惚れてまう…!とか思てるんやろな…)」





放送「午前の部の競技は終了です。
各自、各クラスにて昼食をとり、1時〇〇分に

グラウンドに___」




『もう昼!?お弁当の時間だ!』



さち「教室行こか〜」



治「ほな行くで、ツム。
俺ら今日食堂やから急がな混むで。」



侑「おん_!
あ、俺購買で何か買いたいわ。財布取りに教室行かな。」




治「なんやねん……先行ってるで」




__________________

教室へ着くと既に数人の生徒が
昼食をとっていた。




『はぁ…やっとご飯♪』



そう言って椅子に座り、カバンから弁当を取り出す。



さち「…ん?あなた、なんで机ん中にジャージ入れてるん?」





『え?私ジャージなんて…』





机の中に手を伸ばすと綺麗にたたまれたジャージの上が入っていた。





『これ私のじゃない……』




さち「男子のやつやん!
あなたのファンが入れたんとちゃう?」




胸元の名前を見ると……




「宮 侑」と書かれていた。




どうして……侑のジャージがここに__?


私侑にジャージ借りた覚えも無いし、、



『あれ__まだ何か入ってる_っ…!?』




出てきたのは___紺色のロゴ入りの財布。




さち「ちょ、それ誰のなん……?!
こわ………」




侑「なー、角名!

俺の財布知らん?……って


あ……それや!それ!俺の財布!」




良かったわ〜と言って財布を手に取る侑。



侑「でも、なんであなたが持っとったん?
……ってそのジャージ……」





?「クスッ___。」





『あ…実は何でだかわかんないんだけど…

侑の財布とジャージが私の机の中からでt))




侑「ふっふ、そない俺のジャージが着たかったん?」




『え、、いや違くて!だから侑の財布とジャージが…!




侑「ええよ、着せたるわ。」




バサッ__


『_!?』


羽織っときや〜と言ってほなな、とニコニコしながら

購買へ向かって行ってしまった彼。




『行っちゃった…

っていうか、

なんで一言も疑いの言葉かけなかったんだろ、私に…。』



だって普通自分の財布とか所有物知らないうちに
他の人が持ってたら何してたんだろう_って


疑うよね……?




さち「ちゃうよ、多分___


アイツ相当あなたのこと信用してるんや。


……誰かが仕組んだって__わかったんやないか?」




『仕組んだ……?なんでそんなこと……』




さち「うーん、、多分女子の仕業やなぁ、」




『怖いな、』




もう暴力沙汰はごめんだ。



あんな思い二度としたくない。




『っ………』




さち「あなた…、大丈夫か?」





『うん…!大丈夫。!』




__________________
侑side




財布を片手に食堂へ向かう。


机に座って黙々と食べているサムの隣に座った



侑「あなたに俺のジャージ着せたったわ。」



治「は?あなたが寒い言うたん?」



侑「いや、俺のジャージ持っとった。」



治「…は?なんであなたがツムなんかの
ジャージ持っとんねん。」


侑「なんかのって言い方やめや!

もう今頃あなたは俺のジャージに包まれとるわ!」




そう言って昼飯を口に頬張る。


治「メシ食ったらそのジャージ剥がしに行くわ」




侑「もう着たもんは着たんや!


ふっふ、いやぁーほんま感謝やわ。








……〝仕組んだ奴〟に____な。」








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