二人三脚(ゆあん視点)
合わせてるっつーの!!!!しつこいな〜…
げ…バレた
あれ,えとさん1位目指してたん?別に俺は1位じゃなくてもいいしな〜
=(´□`)⇒グサッ!!=(´□`)⇒グサッ!!=(´□`)⇒グサッ!!……なんでだろ…めちゃくちゃ傷つくわ…
その瞬間,前を見ていなかった俺は転倒した。
えとさんも転倒した。……俺が転んだからだ
怒ってるよな…
俺はえとさんの白い肌に傷を付けてしまった事をとても後悔した
予想通り怒っていた
今も十分怒ってるでしょ…
関西弁が目立つ男のような声がした
次は女の子の声。何処かで聞いた事がある…
その人が言う通り皆がこっちを見ている。いや…睨まれてるの方が正しいかな?
えとさんも睨まれてる事に気づいたみたいだ
美祢恩コンビ…w
この2人を二人三脚のペアにした先生悪意あるだろw
この会話意味なっ!!
──…は?
えとさんは平気そうな顔をしている。…なんか悲しいな…
俺は全力笑顔で話した。俺だけ気にしてると思われたら恥ずかしいから…
これは──真面目に練習しますか…
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えと視点
…その言葉何回聞いただろうか…頑張ってるのに頑張ってと言われたような感覚がした
誰が見ても分かる。彼は私と同じようにただ練習を繰り返しているのが面倒くさくなってきたのだ
1位にはなりたいと思っている…でも何で1位を取らなきゃなんだろうかと私の中の悪魔が言った
最初は『そうだよね〜何で取らなきゃなんだろw』と答えてしまいそうだった…
でも私はクラスの皆の責任を負っている。役に立たなければ…私は自分に『嘘』をついた
一瞬だけゆあん君が私の視界から消えた。私はすぐに理解した。
あ…これ転ぶやつだ…って
そんな顔されたら…私が悪い奴みたいじゃん…///
今思うと少し強く言い過ぎていた
聞いた事がある声がした
本当に皆が睨みつけていた…私達の事を
どおりで聞いた事がある声だと思った…って事は美祢恩コンビも二人三脚!?敵!?
違うクラスだからそりゃあ…
──今の会話意味ないな…
────は??
赤髪って…ゆあん君の事?負けたらゆあん君は美恩と付き合うの……?
そんなの…
嫌だ──
本当は嫌で堪んなかった…だけど気持ちがバレないように全力で何もないように振舞った
ゆあん君は笑顔だ…私だけこんな気持ちなのが少し悔しい…
これは…
勝つしかない──
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!