第22話
最悪な誕生日
二人とも覚えてたの?
慎くんに限っては私の誕生日を知ってることに驚き。
後ろから聞こえた私の携帯の画面を読む声。
慌てて自分の胸に当てて隠す。
とりあえず、返信っと。
ぱっと画面が開かれれば記されてるのは二人。
ま!友達もいるよ、ちゃんと!
初めは壱馬。
「 ありがとう、覚えててくれたの。 」
壱馬 「 当たり前じゃん 」
「 嬉しい。」
次、慎くん。
「 ありがとう 」
慎 「 僕、いろんな人に聞きまくったんですよ! 」
「 そうなの!笑 」
慎 「 意外と知らない人多くて苦戦しました 」
「 最終的に誰に聞いたの? 」
慎 「 壱馬さんです… 」
あ ~ 、結局壱馬へ…
「 でも、ありがとうね。」
慎 「 あなたさん、電話していいですか? 」
え ___
ぼーっとしていた。
危ない危ない。
慎くんからのLINE…ちょうど無視したみたいになったかな…
私は慌ててカバンを持って、会計へ。
財布を出そうとすると既に皆さんは外に出ていて
諦めろ、と玲於くん。
悲しそうに落ち込むメンさん。
立場反対じゃん笑なんて思う私。
ここからは各自家の前で下ろすシステム。
私は電車で帰るということで駅まで乗せてもらった。
皆さん、酔っていてお酒臭い。
それとテンションの差が激しい。
と、テンション高い組。
一方、あの3人は…
後ろの席で裕太さんの肩に頭を乗せて寝てる最年少。
可愛い。
私の席はと言いますと
後ろから2番目の通路側。
亜嵐さんの隣。
パシャパシャと写真を撮り始める涼太さん。
ドアを開けたら中から全員が(寝てる人省き)手を振ってくれた。
幸せ。
駅のホームを一人歩く。
楽しかったなぁ…
居てて、飽きない。
改札を通り、ホームへ。
電車の来る時間まで待つことにした。
あ、慎くんの
「 ごめん、今駅だから! 」
わぁ…20分も経ってる…
怒ってるかな。
慎 「 了解です 」
「 既読無視じゃないからね? 」
慎 「 僕、嫌われたかと思った 」
そう来て、胸がドクンと跳ねる。
別に…嫌いじゃ
振り向くと壱馬がいて
その後ろに女性がいる。
うそ…あれが…?
私は気づかれないように身を潜めた。
何してんだろ、私。
堂々と私が彼女ですって言えばいいのに。
隠れて、ただ、眺める。
私とは違うタイプ。
私より背も大きくて髪の長い人。
目もキリッとしていて、なんだか私じゃ
不釣り合いな気がした。
気づいたら目からは涙。
せっかく、幸せな誕生日を迎えれると思ったのに。
駅に電車が入ってきて二人は一緒に乗り込んだ。
やっぱ、あの寝言は私の聞き間違いじゃなかったんだね。
今、ここで証明されちゃった…
" 電車が発車します… "
私を、置いて、電車のドアは閉まる。
もう手遅れ。
ついてないな…
涙が止まりそうになかった。
prrrrrrrrrr…
手の中で震える携帯。
着信先は慎くん。
慎くんはスパイ?
私の駄目な時に優しい声で聞いてくれる。
プツッと切れた電話。
慎くん…
早く来て…
私、もう、、ダメかも…
壱馬…
好きなのに…
こんなにも苦しい。
他の人と一緒に居ないでよ…
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