壱馬side
何やらにやにやしながら入ってきた最年少。
長谷川慎。
顔に出てるからなぁ、
隠し通せない慎。
いい事ありましたって。
こうして話してくれる俺の大好き慎。
あなたと付き合ってより仲が増したかなって。
ちょっとあなたにも感謝。
嬉しくて仕方ないみたい。
なんて大人の方に持っていくけど
半分冗談のつもりで言ったこと。
明らかな動揺をみせる慎に
優しさが裏目に出た…か。
すると、マネが呼んでみんなで移動。
目の前にはGENERATIONSさんが歩いていて
もちろん、その後ろにはあなたがいる。
当然、慎は気づいてるだろう。
好きな人見つけることなんか得意分野。
とか、言い張ってた翔平を思い出す。
俺も昔はそうだったのに。
いや、
今も。
" 好きな人 " を見つけるのは得意分野だ。
そして、現場に入った。
慎と翔平で自販機に飲み物買いに行って俺は1人寂しく留守番。
連れて行ってくれても良かったやん。
1人心の中でつぶやく。
ほら、すぐ。
見つけられたでしょ。
好きな人
びっくりしたような顔。
変わらへんな、そう感じた。
俺の好きなまんま。
やべぇ、慎来て欲しくない。
初めて思った。
あああ、やばいかもしれない。
俺は…
気配を感じ、振り向くと
笑顔の翔平と真顔の慎。
そういうとちょっとだけ微笑む。
単純…
何故か翔平と慎に連れられてきた。
無口で絶対話さないと思っていた慎が声を出す。
正直来ないでとは思ったけど
取ろうなんか、もっと思うわけない。
大切な後輩の彼女だろ。
俺そういう所大事に思ってるから。
けど、その時の俺の気持ちは変で何故か対抗して
すると、慎の顔はいっきに険悪モードに切り替わり
じゃ
と、残してその部屋を出ていった。
その場にあった椅子に腰掛けた。
初めてだ。
慎と喧嘩したの。
わかんないわ、慎の機嫌の治し方。
うわっ、結構キツイかも。
そう呟いた翔平の言葉は今の俺には入ってこなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。