あなたside
目が覚めた。
私の目の前に広がるのは白い天井。
見慣れない天井…
慌てて起きる、
そうだ、慎くんの家に泊まらせてもらったんだ…
しかも、私だけベッド。
突然、深く考えてしまった。
ここに、いつも慎くんが…寝てる…んだよね…
ゆっくりと周りを見渡す。
左にライトと目覚ましが2個。
起きられないのかな…1個じゃ…笑
やっぱ慎くんは真から可愛い。
今、6時半。
起きてご飯でも作ろう。
ゆっくりドアを開けた。
音を立てないよう…
見るとソファで慎くんが寝ていた。
あああああ、絶対腰痛くなるよ !
私、悪いことしたなぁ…
ん?
昨日、どうやってベッドに行ったんだろ…
寝ちゃって…
そこから記憶が無い。
音を立てないよう、キッチンに入り冷蔵庫に
あったものでご飯を作る。
多分、あんまり家でご飯食べないんだと思った。
けど、作れるものはあるから大丈夫。
目を擦って私にほほ笑みかける慎くん。
やばい…
今、心臓がドクッと…した。
嬉しそうにニコニコする慎くん。
なになになに、
いつものちょっと塩っけな慎くんはどこ!?
ちょっと対応に追いつけない。
スクランブルエッグとハムとレタスを挟んだパン。
それと
目玉焼きを作った。
二人で席についてご飯を食べる。
ん、我ながら美味しくできた。
…?
私、今日おかしい。
ずっと慎くんにドキドキしてる。
じっと見つめられる。
ほら、、また速くなる。
こんなに慎くんと話したのは初めて。
ご飯を食べ終えて食器をシンクに持っていく。
洗剤をつけて洗う。
トコトコと慎くんも食器を持ってきて
なんて言ったりしてにやにやしながら私の隣を離れない。
肘で慎くんの横腹をアタック。
見上げると男らしく出ている喉仏が見えてドキッとする。
咄嗟にお皿を見て洗う。
落ち着け ~ 。
彼女だったらなんて…
そうか、慎くん…私の事…
え?
そう爆弾だけ落として準備に向かった。
なに、急に…
私の顔は徐々に赤くなるのが分かる。
手に当たる水が心地よい。
なかなか終わらないお皿洗い。
慎くんと同じこと考えてたな、私。
慎くんが彼氏ならこんな幸せな長めなんだって。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。