壱馬さんと翔平さんと飯に来ている今。
あなたさんとのことを話した。
いつもはふざけている翔平さんのくせに
今は真面目に僕のことを喜んでくれている。
ちょっとこそばゆいっていうか…
僕の目を見ずお皿に乗っかるご飯たちを箸で取りながら話す。
笑う壱馬さん。
はぁ、いい先輩…
はぁ、嬉しいこと!
と、女の人みたいな手の叩き方で
ずっとずっと、翔平さんには相談に乗ってもらっていた。
どんなときも。
僕が元気ないのを察して話しかけてくれる。
やっぱ、僕の周りにはいい先輩しかいない。
男らしい発言。
僕もこんな男らしくなれたらいいのに。
prrrrrrrrrr
鳴るのは僕の携帯。
画面を見ると
壱馬さんに言われ個室の外に出た。
ゴクッと唾を飲み、通話ボタン。
電話の第一声が " 大変 " とか心配しすぎて
今にでも泣きそうな声でそう話す彼女が心配で
個室に戻って
お金を出そうとしたら壱馬さんに止められ
いけ
そう顔で伝えられた。
はぁ、何から何までかっこいい。
僕は走る。
彼女の元へと。
何があったのか知らないけど
大好きな人が大変なら僕だって大変。
秋に近づく今の気温。
暑くもなく寒くもない。
けど、彼女を思うせいか、走っているせいか
とても心と体が暖かい。
やっば、
早く会いたくて仕方がない。
After storyもボチボチ出そうかと考えてます 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。