玲於side
あなたと壱馬の後ろ姿を、見て胸を撫で下ろした。
よかった、上手くやってんじゃん。
お兄ちゃんとして安心。
俺だけに見えるのか?
あの二人の境界線。
0cmになることも無いし、2cm以上になることも無い。
なにか、間を感じた。
よく、勘が鋭いとか言われる。
だから、当たってんじゃないのとか思うけど
ここはあえて言わない。
それから、亜嵐くんの誕生日会が始まり、
数時間経てば、思った通り。
本日の主役がベロベロに酔っ払って後輩にちょっかいかけてる。
俺も目の前で繰り広げられてる。
いや、休みじゃなくね?
ちゃんと仕事ありますよ ~ 、リーダー。
俺が言わなくてもすぐ飛んでくる救世主。
亜嵐くんのコップを回収した。
やるな、あなた。
亜嵐くんお得意の上目遣い。
あんな大きな目で上目遣いとか罪だよね、
けど
1ダメージも受けることなく回避。
おいおい、亜嵐くんと二人きりとか許さないよ?
お兄ちゃんとして。
あなたを見ると何とも言えない顔。
あ、やっちゃった?
俺も結構酔ってるから、何するかわかんないよ?
ちらっと俺を見て壱馬を見る。
怖い怖い。
そんな中、右で繰り広げられてるのが最年長組。
メンさん、龍友くん、裕太くん、陸くんの4人。
そっちはそっちで盛り上がってるからそっとしとく。
左で繰り広げられてるのは
王子の話。
涼太くんと北ちゃん。
彼らは真面目な仕事の話とかしっかりしてるわ。
俺は、隼と飲んでる。笑
ま、飲んでるって言うより隼は寝てるから一人酒。
必死に止めるカップル。
なんか、ウケんね。
見てて面白い。
あなたも少し酔ってきているのか楽しくなってる。
そういうあなたの笑顔。
いま、俺の心臓は一度大きく跳ねた。
なんだこれ、
ひっつこうとする亜嵐くんを止める壱馬。
そしたら、あなたのやつ、顔赤くして考えてる顔。
わっかりやすい。
んで、一向に帰りそうにない。
どうすんの、これ笑笑
マネがみんなに解散と伝えてくれてやっと動き出す。
隣で寝てる豚を起こして、立つ。
みんなフラフラになってて
前であなたがふらついた時。
手を取って助けてる壱馬。
また、顔赤くして俯いてる。
あれぐらい俺にだって…
って、なんで対抗心持ってんだよな、
ずっと俺の腕にしがみついて離れない。
重いんだわ!
困った時はっと…
メンさんに隼を預ける。
各自解散で俺はあなたが帰るまで帰らない。
なんか、心配だから。
っても、ずっと壱馬と話してるし…
帰るの遅くね!
みんな外でベラベラ話してて、まじ酔っぱらい。
俺もいい感じに酔ってるからフワフワする。
てか…
壱馬、浮気してんだろ?
してんのに何してんの、
今更になって、怒りが込上げる。
あなた傷つけといて
優しくしてあなたの気持ち弄んでんだ。
あいつもあいつでニコニコしてよ、
なんか、久しぶりな感情で上手く整理出来ねぇや。
帰ろっと。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!