ピーンポーン
あなたさんの家の前についてインターホンを押した。
すると、ドタドタと駆け寄ってくる足音。
なんか、可愛い…笑
勢いよくドアが開いてもう少しでぶつかりかけた。
家に着いてそうそう、手を引っ張られて中に入る。
やべぇ、
死にそー。
僕の後ろへと隠れて怯えている、
何に怯えているのかさっぱりだが可愛い。可愛い。
あなたさんが指さした方向には
.
.
.
シューーーーーーーーーッッ!!!
何故か僕が呼ばれるようになってしまった。
G退治。
嬉しそうに僕に抱きつく。
ドキドキ止まらない。
僕だって心の準備っていうものが必要。
明らかに背の小さいあなたさんは上を向くと上目遣いになる。
その上目遣いがどおにも慣れない僕。
負けてしまう。
あなたさんには叶わない。
僕もぎゅっとあなたさんを抱き締めた。
なんだなんだ
いつ嗅いでもって!!、
あなたさんって小悪魔。
僕も負けじと腰を曲げてあなたさんの首に頭を入れる。
明らかに動揺している様子のあなたさん。
その反応が僕のツボに入ったのか
いじめたくなって
ソファに移動して
僕の足の間をトントンと叩く。
僕って、意外とSなのかな。
嫌がってるのみるの嫌いじゃない。
恐る恐る僕の足の中にやってきた天使。
ふわっと香る匂いに負けそうになってしまう。
僕は足の中に座る彼女のお腹に手を回して引き寄せた。
細すぎる。
この人。
チョンチョンとあなたさんのお腹を刺す。
その度いい反応して…ちょっと変な気持ち。
ほらほらほら、やばい。
この声。
僕の膝をベジっと叩く。
目の前には綺麗な髪の毛。
アッシュブラウンに染った髪。
色落ちしてきて随分と薄くなっている色。
ふと思った。
僕のお父さんは美容師。
そう言うと
嬉しそうに笑うあなたさんを見て
またひとつ、あなたさんに惚れた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。