あれから、2日。
食料が尽きてパパが買いに行った
ベランダに出てパパがスーパーへ行くまでを見届ける
そして柵をまたがり超える
今日は曇りひとつない晴天だ。
まるで太陽が俺を死ぬのを祝福してるみたいだった
自然と笑顔が出てくる
それから解放されると思うと笑顔が止まらない
中学生の頃良く考えてた事がある。
もし幸せな家庭に産まれてきたらって
楽しいテレビ見て笑ったりお出かけしたり
俺もそういう経験をしたかった
何度過去を呪ったか、何度自分を嫌ったか、
人間はそうやって生きていくしかないんだ。
誰かを呪って幸せになってその誰かが不幸になって過去を呪って死ぬんだ
この繰り返しなんだ
こんな人生息苦しいくて吐いちゃいそう
そんな中人間は娯楽を求めて自分を救ってくれる人を探して、自分で生きようと頑張ってる
そのやり方が非道でもそれは自分を守る為なんだ
それしかないから非道に走るんだ
自分の心は自分でしか守れないから
影響を与えてくれたとしてもそれをどう受け取るかはその人次第
これが人間の言う個性なのかな
個性って何?障害が個性と言うけれど
それは言われて嬉しいのだろうか
それは障害という認識で自分とその相手との塀を作っているのではないだろうか
振り向いて家の中を見る
初めて友達を招き入れた家、この街では色んなことがあったな。
そしてそのまま後ろへ体重をかけた
どんどん空が遠くなっていく
ママ兄さんちゃんと地獄に落ちるから許してね。
そしてあっという間に体にすごい衝撃が伝わった
--------キリトリ線--------
気づいたら辺りは真っ暗だった
とても聞き慣れた声だった
相手の顔が見えた瞬間涙が止まらなかった
ママしがみつく
横に人影が見えた
そして肩に手を置かれる
今まで言いたかった事を全部話す
ママと兄さんに抱きしめてもらいただ昔泣きじゃくれなかったぶん沢山泣きじゃくった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。