七瀬 「 あなた帰ろ ー 」
『 あ ! まって、帰る前に
行きたいとこあんねん 』
七瀬 「 え 、 珍しい 、 どこや ? 」
『 体育館 』
普通に体育館行きたいって言っただけやのに
結南はめちゃくちゃ驚いる様子
七瀬 「 え ! ど ー したん
今まで絶対行かなかったやん 」
『 やって来てって言われてんもん 』
七瀬 「 誰に 」
『 高橋くんに 』
七瀬 「 え ! 何それ ! はよ行くで ! 」
ほんとに結南はよ ー わならんな
感情迷子なんか ?
ギャラリ ー につくとちょうど試合中で
ボ ー ルを持っていたのは高橋くんやった
「 恭平頑張って ー ! ! 」
「 行ける行ける ! 」
「 さすがキャプテン !
今日もイケメン ♡ 」
体育館の入口を塞ぐように女子がいて
応援してるんやけどみんな高橋くんへの応援で
明らかに好意を持っている感じやった
確かにちょっとうるさいかも
なんて思いながら高橋くんを見てると
高橋くんがシュ ー トを決めた
同じチ ー ムの人たちも喜んでるし
周りの女子たちも大騒ぎやった
七瀬 「 え 、 めちゃくちゃバスケ上手いやん 」
『 キャプテンって言っとった 』
七瀬 「 へ ー イケメン + 運動もできるんや 」
そしてまだ歓声が鳴り止まなくて
シュ ー ト1つでこんなになるんやって
少し驚いてたそのとき高橋くんと目が合った
そして高橋くんはにこっと笑って手を振ってた
やから私も手を振り返した
七瀬 「 ちょ ! 何今の ! ! 」
『 何って手を振っただけやけど ? 』
七瀬 「 絶対他の子にはしないで 」
『 あのさ 、 結南は誰目線なん ? 』
七瀬 「 私高橋くんとあなた
お似合いやと思っとる人やねん 」
『 ちょっとよくわからん 』
高橋くんが手を振ったのは
偶然私と目があったからやと思うんやけどな
目が合ったのに何もしないで逸らすとか
気まづくなるし
え 、 ちゃうん ?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。