西畑side
__学校in生徒会室
高橋「あれ?今日、あなたちゃん来ないんですか?」
大西「あーまぁ色々あってん。」
西畑「……」
ピーンポーンパーンポーン⤴︎
校長「今から、全校集会をします。
皆さん直ちに、体育館に集合すること。」
ピーンポーンパーンポーン⤵︎ ︎
長尾「あれ?今日、全校集会の日やっけ?」
道枝「いや、ちゃうやろ。」
西畑「……」
__体育館
( '-' )( '-' )( '-' )ザワザワ…
道枝「話ってなんなんやろ?」
大橋「ゎーからん!」
藤原「しーらん!」
校長「今回、みんなに集まってもらったのには
訳があります。
どうぞ。」
『お久しぶりです。生徒会会長代理の結城です。』
女子1「え?あなたさんがどうかしたのかな?」
女子2「なになに?」
ザワ
『私には、婚約者がいました。
けど、昨日、病院で振られてしまいました。』
_
生徒「え?婚約者って、西畑先輩?」
生徒「別れたの??」
_
西畑「……ッ…!」
『私は、彼に、隠し事をしていました。
私は、……幼い時に、ある病を患っていました。』
は?
え……
『拡張型心筋症。
ご存知の方も多いかもしれません。』
聞いてないねんけど。
『今は、もう大丈夫なのですが。
私は、移植手術を受ける際、
《移植手術を受けるということは、他人の命をいただくということです。
あなたは、その命を大切に出来ますか?貰う覚悟は出来ていますか?》
と説明を受けました。
私は"はい"と返事をしました。
それから、移植手術を受け、
高校生になることが出来ました。
高校生になり、入学初日に、
私は、その人に会いました。
最初は、何だこの人って。
思ってました。
けど、一緒にいる時間が長くなるほど、
その人への気持ちが、強くなっていきました。』
『けどもういいんです。』
西畑「良くない。」
『え……』
西畑「良くないわ。ごめん。
俺、あなたは、おれとわかれた方が
幸せになれるって思ってたから。」
『知ってる。てか、知ってた。
だって、病室からいなくなっていく、大吾の背中が、嫌やって言ってた……』
『でも、ほんとにもういいの。
私、アメリカに留学することになったから!』
は?
あの後、まるで何事も無かったかのように。
全校集会は終了した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!