西畑side
俺は昔から、女に興味がなかった
けどある日、父から
「女に関心をもて」
って言われて。
告白してきたやつと付き合ってみた
その女が、
古賀 甘奈
正直言って、付き合うってどんなことするんか、知らんかったし、どうかしたいってゆうのも、なかったから。
付き合って、何事もなく過ごしてた。
なんか、一緒にご飯食べてみたり。
移動教室一緒にしたり、そんな感じのん
古賀って、結構ぶりっ子気質やから、あんま関わりたくなかった。正直、好きでもなく付き合ってたから、やっぱり関心っていうか、興味ももてへんかった。
ある日、古賀が聞いてきてん。
「西畑くんって、甘奈のこと好き?」
って、でも、好きじゃなかったから
『いや?』
って言ってん、やったら
「なんで?なんで好きじゃないん?」
って、聞かれたから。
『好きじゃないことに、理由なんか要らんやろ』
って、言ったら、走って屋上出ていった
こん時の俺、最低やったと思う。
でも、そっからが
悪夢の始まりやった。
次の日学校行ったら、黒板にでっかい字で
西畑大吾は女たらし
って書いてた。
そりゃ、教室入った時のみんなの目は冷めてたよな。
でも、それで良かった。犯人も大体分かってたし
うるさい取り巻きみたいなんがおらんなるって思ったから。
けど、ちゃうかった。
もう、普通にいじめ。
まず、王道の殴り蹴り
落書き、水かけ、カッターで切られたりもした。けど、全然苦痛じゃなかった。だって、
別に友達とか、興味なかったし、いらんかった。訳の分からん、信頼を得るより、1人でずっと生きてく方がいいと思ってたから。
それで、そのまま、高校にあがった
そん時は、もうジャニーズ入ってたから、
仲間もおった。でも、初めて高校行った時に
また、悪夢が蘇った。
あいつが、あの出来事の犯人がそこにおった。あの時の知り合いに話を聞くと、
わざわざ、俺の人間関係壊すために、この高校に入学したらしい。
あの時は、友達とか仲間とかくだらへんって、思ってたけど、そん時は、むっちゃ大事やった
だから、言ってん、なにきんのみんなに
あの時の事、全部。
自分の最低やった事、されてた事。
みんなは、真剣に聞いてくれた。
信じてたから。
案の定みんなフリーズしてた。
『最低やんな』
「うん、最低やな」
最初にジーコが口を開いた
「ほんまな」
「大ちゃん……」
「クソ野郎やな」
紫耀
流星
廉
と次々に言っていく
あぁ、また離れていくんやな……
「でも、それは昔の大吾やろ?」
柊真が言った
「そうや、俺らは昔の大吾は知らんけど。今の大吾やったら知ってる」
ジーコも
廉と紫耀と流星も
「大吾が、悪いことしたって、心から今思ってんねやったら」
「誰も、大吾を責めたりせん」
「みんな、大ちゃんの味方やで」
締めの柊真の言葉はやばかったわ
「みんな、大吾が優しいこと知ってるから。」
もう、涙が止まらんかった……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。