第14話

お父さん
3,647
2018/10/11 08:37
家に帰ってきた私は、退院する前に言われたことを思い出していた。



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先生
先生
このままだと、あなたの余命は1年持つかどうか…
椎名
椎名
そうですか…
先生
先生
入院をして欲しいんですが、なぜそんなに拒むのですか?
椎名
椎名
それは…言えません
先生
先生
…とにかく、薬は必ず飲んでください
椎名
椎名
分かりました
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薬は毎日飲めと言われたけど、薬代さえも無駄にはできない。


やばい時にのもう…


そう決めた私だけど、じぶんでもわかってる。


常に体調が良くない…
椎名 拓斗
椎名 拓斗
お姉ちゃん!誰か来たよ?
椎名
椎名
あ…ありがと
考え事をしていて気が付かなかった



私は、ドアを開けた
椎名
椎名
?!
父親
よお、久しぶりだな
椎名 拓斗
椎名 拓斗
だれ?
椎名
椎名
来ちゃダメ!
ドアを閉め用にも、靴を中に入れられて閉められない。


強い力でドアをこじ開けられて、なかにはいられた。
父親
成長したなあ
椎名
椎名
何の…よう?
父親
ちょっと金貸してくんねーかな
そう言いながら、棚や引き出しを漁るお父さん
椎名
椎名
お金なんて…な、い
父親
あぁ?
眉間にシワを寄せたお父さんが詰め寄ってくる。


拓斗は押し入れの中に隠した。


胸ぐらを掴まれ、怒鳴られる
椎名
椎名
っ…
父親
てめぇ、実の親が金くれっつってんだろーが
椎名
椎名
ないの!
バシン!
椎名
椎名
うっ…
父親
どこにある…出せ!
椎名
椎名
だ、から…ない!
私が叫ぶと、お父さんは私の首をギリギリと締め出した。
椎名
椎名
く、る…し…
父親
来月までに用意しとけよ
そう言って私を投げ捨て、出ていった。
帰り際に、こう呟いて…
父親
用意出来なかったら拓斗を売るからな
その日から、拓斗を親戚に預けてバイトをいつもの倍にした。


親戚は嫌な顔をしていたけど、家に1人で拓斗を置いておくわけには行かないから。

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