第23話

放置
3,442
2018/11/11 22:11
椎名
椎名
ケホッ…
頭から流れていたぬるりとした血はいつの間にか固まっていた。

何時間たったんだろ

からだもすこし動くようになった。

ここから出なきゃ…

椎名
椎名
さむ、い…
この倉庫の中はとても寒い


だけど、毛布のようなものは探しても見当たらなくて…


今はとにかく体力を回復させないと
















その日から2日たっても、お父さんは来なかった。
私は弱っていた。


何も食べず、何も飲まず。


頭の血を拭くことも出来ずにいた。
椎名
椎名
は、ぁ…
紫耀は今何してるかな?


私、ずっと紫耀を避けたりしていたのにいつも助けてくれる…


やっぱり、好きだな


紫耀…
椎名
椎名
たす、けてっ…
ーギギィ
倉庫の扉が開く音がした。


紫耀が来てくれたの?!


その期待を裏切るように入ってきたのはお父さんだった。
父親
はあ?!まだ死んでねえのかよ?!
椎名
椎名
お父さ…
震える私を見てお父さんはずかずかと向かってくる。
その目は殺気に満ちている
椎名
椎名
ぃや…来ない、で
椎名
椎名
やめっ
ーゴンッ
っ!
椎名
椎名
っ!
父親
うるせえんだよ
お父さんは私の頭を掴み、地面に叩きつけた。


頭に衝撃を感じたと同時に、吐き気が襲ってきた。
椎名
椎名
うっ…
たらり、と血が頭から流れている。

またなの?
椎名
椎名
おぇぇっ…!
吐いてしまった。

頭が痛いっ…
父親
汚ねえ…
椎名
椎名
お、とう…さ…
父親
俺はお前の親父じゃねえんだよ!
ードカッ
椎名
椎名
かはっ
お腹を蹴られた。

それだけにとどまらず、お父さんは私を簡単には死なせようとしていないらしい。


じっくりと痛めつけるように、殴っては蹴りを繰り返した。


どのくらいたっただろう。


私はもう力が入らずにただ横たわるだけ


父親
はあ…次までに生きてたらいいものを持ってきてやるよ
また、こんなことをするの?
椎名
椎名
ケホッ…
その日の夜


私は横たわっていた。


その時、急に体の奥が熱くなった


そして、咳き込むと血を吐き出した
椎名
椎名
ゴホッゴホッ、ガハッ
ービチャビチャっ
椎名
椎名
ぃ、たいっ
お腹が激しく痛む
椎名
椎名
ゴホッゴホッ!
ービチャっ

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