西畑side(·········もう言葉がないです。)
とーまとサヨナラしてから、数ヶ月。
また、別れをしなければならなかった。
あなたはとーまの時よりもっとショックを受けていた。
そりゃそうかもしれない。
ずっとお兄ちゃんとして慕ってきた紫耀といつもツンツンしてたけど側におってくれる廉と離れ離れになるのだから。
そうやって気力のない言葉でじーこに抱きつきにいった。
そう優しくあなたに声をかけ、優しく抱きしめていた。
その姿を見ていた2人は悔しそうに寂しく涙を流していた。
その時の俺と流星は何もすることができなかった。
この状況を理解するのもやっとのことだったから。
俺らで無理やからあなたもそりゃ無理やろ。
そう思っていた時だった。
あなたは2人が泣いてるのを気に食わなかったのか。
それともこの別れを無駄にしないためなのか、
2人を応援するためなのか、
必ず追いつき、追い抜くためなのか。
泣きながらだったけど言葉には重みがあり、
その姿には気迫があった。
その言葉で締めくくったあなたの話は
この2人を燃えさせた。
あなたはそう紫耀から言われ、
少し戸惑った。
自分の答えに自信がついたみたい。
そして放った言葉は
あなたらしい答えだった。
でもその答えは·······
今となっちゃ
遠く離れた存在となって
どこかに消えていった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。