第9話

図書室 「彩奈編」
74
2019/09/09 05:10
こないだの日曜日、夏樹(さくの弟)と
ゲームをしていらい、僕が学校に行く前、

夏樹は、あいさつをしに来るように
なった。
蒼井 夏樹
蒼井 夏樹
彩奈さな!おはよう
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
お、おはよう・・・
朝は、少し体が重く、反応が鈍い僕。
蒼井 夏樹
蒼井 夏樹
俺、今日席替えあんだぜ?
そんで、さあ・・・
僕とは真逆で、元気がいい夏樹。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
うん・・・
半分、夏樹の話を聞き流しながら歩く。
蒼井 さく
蒼井 さく
おい、夏樹!
彩奈さなは、まだ頭が覚めて
ないんだから、そっっとしておけよ
蒼井 夏樹
蒼井 夏樹
えええ!俺、まだ話したいこと
たくさんあんのに
僕は、目をこすりながら
夏樹の頭にポンと手を置き
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
今は、まだボーっとするから、
また後で話してくれよな?
と、言った。
蒼井 夏樹
蒼井 夏樹
夏樹は、目をパチパチとさせ、
少し照れながらうなずき
蒼井 夏樹
蒼井 夏樹
いっ、いいってことよ!
蒼井 夏樹
蒼井 夏樹
じゃあ、俺先に行くな!
と、言って、バタバタと
走り去って、行った。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ふあ〜
蒼井 さく
蒼井 さく
なんだ、眠いのか?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
うん・・・昨日、ちょっと
夜更かししちゃって・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
漫画、読みすぎちゃった
蒼井 さく
蒼井 さく
それって、なんの漫画?
その時、大きい声でさくを
呼ぶ声がした。
聖 龍太
聖 龍太
おーい!さく!!
聖 龍太
聖 龍太
お前さあ、今日委員会のことで
先生が・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
なんだ?
さくは、ひじり君に返事をした。
蒼井 さく
蒼井 さく
悪い、俺、先行くな
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
あ、うん
さくは、かけ足で、聖君の
方へ向かった。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
そういえば、さくは図書委員
だったっけ?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ふむ・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
漫画は、ないだろうけど
久しぶりに、本でも借りるか。
僕は、あくびをしながら、学校に
向かった。
キーンコーンカーンコーン
今日は、何事もなく授業を
終えた。


僕は、朝に、図書室に行こうと
してたことを思い出し、図書室に
向かった。
ガラー
僕の学校の図書室は、少し古い。
あちこち、壁にひびがはいっているし、
普段から利用者は多くないが、
今日は特に少ないといった印象だ。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
というか、誰もいないな
しーんと静かな図書室。
利用者は、僕1人。
僕は、図書室の奥に
進んでいく。
古いわりには、かなり大きい図書室だ。
小説といっても、たくさんありすぎて、
どれから手をだして良いか、わからない。
僕が、本を取ろうとした瞬間
ギュム・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ひぁわ!
靴で、なにかを、踏んでしまった
感じがする・・・
僕は、足元に視線をうつす・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
なんだ!これ
足を、パッとあげると、腕のような
ものが、ガクッと動いた。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
???
僕は、ゴクリと唾を飲む。
高月 はじめ
高月 はじめ
痛っえ・・・
踏んでしまったのは、どうやら
床で寝ていた、男子生徒の腕らしい
その男は、むくりと起き上がると、
けわしい表情でにらみつけてきた。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
えっと・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
いたの、気がつかなくて、踏んで
しまって本当にすまない!!
僕は、ペコリと頭を下げる。
高月 はじめ
高月 はじめ
くそっ!せっかく寝てたのに、お前の
せいで、目が覚めただろうが!!
高月 はじめ
高月 はじめ
どうしてくれんだよ?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
え?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
どうしてって、言われても・・・
僕は、そのけわしい顔を見ながら
ハッと、あるうわさの事を思い出した。

それは、この学校に中学時代からの
名の知れた不良がいるということ。


まさかとは、思うが、この男・・・

その、不良なのでは?と、僕は、思った。
やばい奴の腕を、僕は、
踏んでしまったのだろうか・・・
高月 はじめ
高月 はじめ
おい、聞いてんのか?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
・・・・しかたない
高月 はじめ
高月 はじめ
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
君の名前は、なんていうんだ?
僕は、なにかを決心したように
不良君に質問した。
高月 はじめ
高月 はじめ
はぁ?名前
高月 はじめ
高月 はじめ
なんで、お前に教えなきゃ
いけねえんだよ!
僕を、ギロリとにらむ不良君。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
だって、どうにかしたくても
君の名前が、わからないと、なんて
呼べばいいか、わからないし・・・
高月 はじめ
高月 はじめ
それ、本気で言ってんの?
ドカンと壁に手をつく不良君
僕は、びっくりして
目を丸くする・・・


高月 はじめ
高月 はじめ
ん?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
え?
高月 はじめ
高月 はじめ
なんだよ?逃げねえのかよ
不良君は、少しあきれたような
顔をしている。
高月 はじめ
高月 はじめ
たいていのやつは、こうやって
脅せば、大騒ぎして逃げんだけどよぉ
高月 はじめ
高月 はじめ
お前は、どうやら違うようだな
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
僕を、試したのか!
高月 はじめ
高月 はじめ
まっ、そんなとこ
不良君は、僕の方を見ると、
名前を教えてくれた。
高月 はじめ
高月 はじめ
俺の名前は、高月たかづき   はじめ
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
高月君と、呼べばいいか?
高月 はじめ
高月 はじめ
俺は、この苗字が気にいってないんだ
高月 はじめ
高月 はじめ
出てった、母親の方の名だから
高月 はじめ
高月 はじめ
はじめで、いい
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
じゃあ、はじめって呼ぶな
高月 はじめ
高月 はじめ
お前さあ、変わってるよな
高月 はじめ
高月 はじめ
俺のこと、恐くねえの?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
はじめを、恐い?
高月 はじめ
高月 はじめ
・・・
高月 はじめ
高月 はじめ
なんか、怒る気失せたから、帰る
高月 はじめ
高月 はじめ
さいなら、僕ちゃん♬
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
なっ!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
僕は、僕ちゃんなんかじゃ
ないっ!!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
赤坂  彩奈さなだ!
高月 はじめ
高月 はじめ
バイバーイ
ピシャリ。はじめは、そのまま
図書室から出て行ってしまった。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
なんだよ!変なのは、あいつの方じゃ
ないか!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
急ににらんだり、壁を叩いたり、
かと思えば、僕のことを
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
僕ちゃん呼ばわりするなんて・・・!
僕は、1人、頭を抑えながら
怒っている!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
あんな奴が、不良だと?
たっ、たしかに見た目は、少し恐かったけど・・・
僕は、チラリと時計を見る。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
やばいっ!もう、こんな時間だ!
帰って、勉強しないとな!
僕は、大急ぎで家に帰った。
階段をあがって、カバンをドスンと置く
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ええっと、どれから勉強しよう・・・
僕は、教科書を広げながら
ブツブツと呟く。
しかし、気がつくと、ゆっくり手を
漫画の方へ、伸ばしているでは
ないか・・・!?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
いかん!いかん!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
集中しなくちゃ・・・頑張れ!僕の頭!
僕は、読みたい気持ちを
抑えながら、勉強にはげんだ。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
うおおおおおおおお!!
そして、次のテストでは、まあまあ
いい成績を取ることができたのであった。

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