僕は、階段を降りた。
ドカッ!!
前をよく、見ていなかったせいで、
誰かにぶつかってしまった。
クルクルと端にとばされる
クッキー袋。
顔をあげると、僕とぶつかったのは、
はじめだった。
僕は、パンパンとスカートを
たたき、立ち上がる。
僕は、とんでいったクッキーを、拾う。
中を確認すると、ハート型のクッキーは、
真ん中に、きれつがはいり、割れている。
ひょいっと、顔をのぞかせる
はじめ。
僕は、さくに渡す前に、二つに割れて
しまったクッキーを見て、悲しくなる。
僕は、割れてるクッキーを、はじめの
前に差し出す。
パクリ
はじめは、僕の持ってるクッキーを
顔を近づけて、口でかじった。
僕は、頭の中が?マークで、あふれる。
僕は、悲しいのか・・・
そんなこと、ないはずなのに・・・
心の中が、モヤモヤするというか、
こんな感覚は、あまり感じたことが
ない・・・
僕は、急ぎ足で、はじめから
離れる。
家の前に着くと、さくが、僕の家の前で、
立ちながら待っていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!