僕は、さくが入院してる間
1人で、過ごす時間がとても増えた・・・
気がつくと、いつもさくのことを
考えている・・・
今日、お見舞いに行こうかな・・・
そんなことを言っていると、僕の
目の前に、この前さくを、襲った
不良たちが、現れた・・・
不良の1人が、僕に声をかけてきた
怖い、怖い・・・・
このまま、ここにいたら、
やられる・・・
僕は、不良たちと反対方向に
全速力で走った。
ここは、アイツらが見えなくなるまで
逃げるしかない
かなり走ったはずなのに、もう
すぐ後ろには、不良たちが
ついてきている・・・・
逃げなきゃ、はやく
僕の前に、緑色のフェンスが、
現れた・・・うそだろ
コレじゃあ、逃げられない
どうしよう
フェンスを、ガシガシ引っ張るが
ビクともしない・・・
このまま、こいつらに
ボコボコにされて・・・誰か、助けて
不良たちが、ギリリと、にらみながら
はじめを、グルリと囲む。
3人がかりで、はじめを殴りに
かかる、不良達・・・
3人の攻撃を、軽くかわすと
はじめは、くるりと回り、ひざ蹴りを
お見舞いした・・・
3人は、ドサドサと転がりながら
倒れた・・・
はじめは、肩をまわし、指を
ならすと、まだまだたりないと
いう感じで、不良達を殴りにかかった。
はじめの、制服に、不良達の
返り血がつくが、まだまだやめる気が
ないようだった・・・
僕は、はじめを力一杯
押さえつける
はじめに、抱きつかれ、転倒した。
はじめが、僕の目をじっと、見る
はじめが、ゆっくり離れていく・・・
はじめは、無言のまま
僕を見ている。
僕が、口を開こうとした時
はじめが、先に
と、言った。
僕は、はじめの前に行き
握手をする。
僕は、帰り道、はじめといろいろな
話をした。
中学生の時の話や、子供の時の話。
時間は、あっという間に過ぎて
家の前についた・・・
はじめは、笑いながら
僕に背を向けた。
笑っているはずなのに、その背中は
とても悲しそうだった・・・
はじめが、僕を好きでいてくれた
こと、忘れないよ・・・
僕は、そう心に誓って、家の中に
入った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!