第21話

初めてのキス 「さく編」
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2019/09/11 13:22
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
あの、さく?今あいてるか?
蒼井 さく
蒼井 さく
彩奈さなか、どうしたんだ?
彩奈さなが、ドアを閉め、図書室に入ってきた。
蒼井 さく
蒼井 さく
話したいこと、あったんだよな?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
うん、それもあるけど・・・
俺と彩奈は、図書室の椅子に
座る。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
僕とさくが、付き合ってるって、
なんで学校の人に言っちゃ
いけないんだ?
蒼井 さく
蒼井 さく
えっ?
それは、龍とかクラスの奴らに
バレるのは、照れるというか・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
別に、俺たちだけが、知っていれば
いんじゃないのか?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
でも・・・
下を向く彩奈。
蒼井 さく
蒼井 さく
彩奈、言いたいことが
あるなら、言ってくれよ
蒼井 さく
蒼井 さく
言わないと、わかんないからさ
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ひ、聖君が、僕のこと、好きに
なっちゃったって、言うんだ・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
龍が?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
さくと、付き合ってるからダメだって
言いたかったんだけど
蒼井 さく
蒼井 さく
・・・
彩奈が、プルプルと拳を震わせる
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ああ!なんで、こうなっちゃうんだ!?
自分1人だけで、抱えていた問題を
はきだした彩奈は、わぁ〜とか、うぉ〜!
とか、言ってもがいている。
蒼井 さく
蒼井 さく
その話を、さっき言おうと
してたんだな?
彩奈は、コクリとうなずく。
蒼井 さく
蒼井 さく
龍・・・
俺は、親友に怒りを覚えながらも
冷静にと、自分を落ち着かせる
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
お試しで、1週間付き合ってくれって
言われた。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
返事しなかったのに、OKってこと
って、言われちゃって
ガバッと、彩奈の肩をつかむ俺。
蒼井 さく
蒼井 さく
彩奈!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
えっ?な、なんだよ
蒼井 さく
蒼井 さく
言うしかない!俺と付き合ってること
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
でも、さく嫌だって・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
龍に言ったら、すぐに喋るから、
みんなに知られるのが
ちょっと、照れくさかっただけだ
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
みんなに、知られる・・・って
顔が、いっきに赤くなる
俺と彩奈。
蒼井 さく
蒼井 さく
クソっ!照れてもしょうがない!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ああ、でも照れるな・・・
俺は、彩奈のほっぺを、ぷにっと
つかむ
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
なんだひょ?ひゃく・・・
学校の奴らに、知られるのは
恥ずかしいけど、これで彩奈のことを
龍が諦めるなら、かまわない
蒼井 さく
蒼井 さく
変な顔
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
さくが、してりゅんだろ?
好きだよ・・・彩奈
俺は、彩奈のほっぺにキスを
する。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
蒼井 さく
蒼井 さく
お前は、俺のだから、龍にも高月にも
あげない
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
さく・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
キス、された
蒼井 さく
蒼井 さく
ああ、した
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
・・・
彩奈は、俺のことを見つめながら
少し涙目になっている。
蒼井 さく
蒼井 さく
ごめん、我慢できなかっ・・・
そう言いかけて、彩奈が俺に近づき
キスをした・・・・
俺の口に彩奈の唇が触れる。
急なことで、頭が真っ白に
なった。
そしてゆっくり、触れた唇がはなれていく
蒼井 さく
蒼井 さく
彩奈?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ゴメン!僕は、何をして・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
謝んなよ
蒼井 さく
蒼井 さく
俺は、彩奈にキスしたこと
謝んないよ
蒼井 さく
蒼井 さく
だから、彩奈も俺にキスしたこと
謝んないで
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
・・・うん
蒼井 さく
蒼井 さく
俺ばっかり、彩奈のことが
好きなんじゃないかって、ちょっとだけ
心配だったんだ
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
僕、気づかなかった・・・
こんなに、さくのことが好きに
なってたって
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
今、ちょっとだけ自分がこわい
俺は、下を向く彩奈の手を
優しくにぎる。
蒼井 さく
蒼井 さく
俺なんて、いつもこわいよ
蒼井 さく
蒼井 さく
好きだって気持ち、おさえるの
大変なんだぞ?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
さく・・・僕、おかしくっちゃった
のかな?
蒼井 さく
蒼井 さく
彩奈が、それでおかしいんだったら
俺は、いまごろ、もっと変に
なってるって
蒼井 さく
蒼井 さく
彩奈も、俺のことが好きだって
ことだろ?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
うん、きっとそうだな
夕日が窓から、差し込む
カラスが、バタバタと飛んで行った
蒼井 さく
蒼井 さく
彩奈、帰ろうぜ?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
うん!
俺と彩奈は、少し照れながら
図書室を出て行った。

俺は、今すごく嬉かった。
初めて彩奈にキスをした。

でも、彩奈は、俺に
自分からキスをしてくれた。

それは、まるで彩奈の中で、俺のことを、
彼氏なんだと認めてくれた瞬間なんだと
思った。
蒼井 さく
蒼井 さく
今日は、カラスが多いな
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
そうだな
その後は、たわいもない話を
しながら俺たちは、家に帰った。

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