今日は、日曜日。俺は、カチャカチャと
ゲームリモコンを、にぎりながら
アイスを、食べていた。
ドカッ
俺に、勢いよく、弟の夏樹が、
寄りかかってくる。
キャッキャと、ソファーの上で
ジャンプしている弟。
ドタバタと、どこかに行って
しまった、夏樹。
俺は、再び、レアアイテムを
探すことにした。
すると、ピンポーンと、
インターホンが鳴り、母さんが
と言って、出て行った。
かまわず、ゲームを続ける俺。
カチ、カチカチ
俺は、コントローラを、置いて
玄関に向かう。
そこに、立っていたのは彩奈だった。
ニコッと笑う彩奈。
俺と彩奈の家族は、家が隣同士で
とても仲が良い。弟の夏樹も、彩奈に
よく懐いてるし、よく一緒に家族同士で
買い物に行くこともある。
しかし、俺としては、あまり彩奈に
家に来てほしくない。というか
だって・・・
うちの家族は、遠慮とかいう事を、
知らない。ましてや、小5の弟に
わかってもらえることでもないだろう。
2人は、トントンと、2階に
あがっていく。
自分で、言っては、みたものの、
恥ずかしくなって、小声になる。
階段の上から、彩奈が、といかける。
俺と、夏樹の声が、同時に
重なった。
夏樹は、自分の部屋のドアを閉めた。
俺は、母さんを、見送り
再び、リモコンをにぎり、ゲームを
始めた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。