僕は、今PC室で、授業を受けながら
聖君の話を聞いている。
僕の頭の中で、いろんな言葉が
グルグルと回る。
さくと僕は、付き合ってるわけで・・・
聖君には、まだ言ってないんだった!
こういう時、嘘を言った方がいいのか、
本当のことを言うべきなのか・・・
そう言えば、聖君に、さくと
付き合ってるって言っていいのか、聞くの
忘れた・・・ううーん
僕は、頭をおさえながら
慎重に考えている・・・
聖君に、さくと付き合ってるって
言いたい、でも、変なふうになるのも
嫌だし・・・
そう言いかけた時・・・
わざとらしい、さくの咳が
聞こえてきた。
僕は、さくの方を振り返ると
さくは、フルフルと顔を横に振っている。
つまり、それは、言っては、ダメと
いうことか?
少し困ったような表情をする聖君。
聖君は、ガクンと、頭を下げると
深いため息をついた。
聖君の、表情が一変する。
聖君が、僕の顔をじーっと、
見つめる。
なんか、嫌な予感がする・・・
僕が、何を言っても、まるで
聞いてないような感じだ。
僕は、聖君のペースに巻き込まれるそうに
なりながら、さくの方を見て、助けを
求めたが、あいにく、気づいてない
おっと・・・さくと付き合ってるって
ことは、言っちゃダメなんだった・・・
も〜!!どうすれば、いいんだよ
こういう場合は、返事をしなければ
いいだけだ・・・
キーンコーンカーンコーン
授業が、終わり、みんなぞろぞろ
PC室から、出て行く。
僕は、いいなんて言ってないぞ!
知らないよ、もう・・・
勝手にしろよ
僕は、うわーと、1人頭を
かかえる。
しかたがない、今日は、なるべく
聖くんに会わないように過ごそう。
僕は、そう決めると、PC室を
出て行った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。