第19話

聖くんの思い 「彩奈編」
55
2019/09/11 09:43
僕は、今PC室で、授業を受けながら
聖君の話を聞いている。
聖 龍太
聖 龍太
彩奈さなちゃんは、どう思う?
2人のこと・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
えっと、どう思うって・・・
僕の頭の中で、いろんな言葉が
グルグルと回る。

さくと僕は、付き合ってるわけで・・・
聖君には、まだ言ってないんだった!

こういう時、嘘を言った方がいいのか、
本当のことを言うべきなのか・・・

そう言えば、聖君に、さくと
付き合ってるって言っていいのか、聞くの
忘れた・・・ううーん
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
えっと・・・
僕は、頭をおさえながら
慎重に考えている・・・
聖 龍太
聖 龍太
どうした?頭、痛いのか?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
痛いような、痛くないような・・・
聖君に、さくと付き合ってるって
言いたい、でも、変なふうになるのも
嫌だし・・・
聖 龍太
聖 龍太
まさか・・・彩奈ちゃんも
さくの、ことを・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
うっ!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
あのな、聖君・・・
僕とさくは・・・
そう言いかけた時・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
ゴホンっ、ゴホン
わざとらしい、さくの咳が
聞こえてきた。

僕は、さくの方を振り返ると
さくは、フルフルと顔を横に振っている。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
・・・
つまり、それは、言っては、ダメと
いうことか?
須田 りか
須田 りか
どうしたの?蒼井・・・
風邪?
蒼井 さく
蒼井 さく
いや、なんでもない
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ところで、聖君・・・
僕たち、なにか話してたっけ?
聖 龍太
聖 龍太
まあ、話してたけど
少し困ったような表情をする聖君。
聖 龍太
聖 龍太
俺ってさ、少しうるさい奴なんだよな
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
そうか?
聖 龍太
聖 龍太
俺の家、姉ちゃんが多いから
俺も、おしゃべりなんだ。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
たしかに、聖君は、おしゃべりだな
聖 龍太
聖 龍太
そうなんだよ
聖君は、ガクンと、頭を下げると
深いため息をついた。
聖 龍太
聖 龍太
俺、男のくせに、恋話とか
好きで、よく変わってるって言われんの
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
男でも、恋話好きでいいんじゃないか?
聖 龍太
聖 龍太
・・・
聖 龍太
聖 龍太
そう?いいのかな
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
だいいち、僕は、聖君が恋話が
好きでも、全然変じゃないと思うしな
聖 龍太
聖 龍太
えっ?
聖君の、表情が一変する。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ん?
聖 龍太
聖 龍太
俺、今までそんなこと言われたこと
ないな・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
聖君?
聖君が、僕の顔をじーっと、
見つめる。

なんか、嫌な予感がする・・・
聖 龍太
聖 龍太
俺のこと、恋話好きでも
認めてくれたの、彩奈ちゃんが、初めて
だし
聖 龍太
聖 龍太
俺は、ずっと君みたいな子を、
求めてたんじゃないかって、思うんだ!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
えーっと・・・何が言いたいんだ?
聖 龍太
聖 龍太
俺、彩奈ちゃんのこと、好きに
なっちゃったかも♡
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
大丈夫、それこそ勘違いだ
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
たぶん、話を聞いてもらったり
することが、あまりなかったから
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
僕のこと、好きだって、思っちゃった
だけなんだよ
聖 龍太
聖 龍太
思えば、俺と彩奈ちゃんって、学校で
よく話すよな?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
それは、クラスメートだからな
聖 龍太
聖 龍太
席も近いし
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
たまたまだ
聖 龍太
聖 龍太
俺、惚れやすいのかな?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
きっと、そうだ
僕が、何を言っても、まるで
聞いてないような感じだ。
聖 龍太
聖 龍太
お願い、彩奈ちゃん!俺にチャンスを
くれないか?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
なんのだよ!
聖 龍太
聖 龍太
ああ、冷たくされるのも
悪くないが・・・
僕は、聖君のペースに巻き込まれるそうに
なりながら、さくの方を見て、助けを
求めたが、あいにく、気づいてない
聖 龍太
聖 龍太
俺、初めてなんだ!こんなに気持ちに
なるの
聖 龍太
聖 龍太
1週間、お試しで付き合って
くれない?
聖 龍太
聖 龍太
ダメなら、諦めるからさ
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ダメもなにも、僕は!さ・・・
おっと・・・さくと付き合ってるって 
ことは、言っちゃダメなんだった・・・

も〜!!どうすれば、いいんだよ
聖 龍太
聖 龍太
お願い、彩奈ちゃん
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
・・・
こういう場合は、返事をしなければ
いいだけだ・・・
キーンコーンカーンコーン
授業が、終わり、みんなぞろぞろ
PC室から、出て行く。
聖 龍太
聖 龍太
じゃあ、OKってことで?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
僕は、なんにも言ってないぞ!
聖 龍太
聖 龍太
じゃあ、絶対俺のこと好きに
させるから!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ちょっ!聖君
僕は、いいなんて言ってないぞ!
知らないよ、もう・・・

勝手にしろよ
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ふうっ
蒼井 さく
蒼井 さく
また、ため息か?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
あの、さく・・・ちょっと
いいかな?話が・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
ゴメン、俺、阿部先生に
呼ばれてるから、後で聞くから
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
でもっ!
僕は、うわーと、1人頭を
かかえる。

しかたがない、今日は、なるべく
聖くんに会わないように過ごそう。
僕は、そう決めると、PC室を
出て行った。

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