第3話

バレンタイン = YG
4,347
2018/09/24 13:01




あなた side only






私が小学6年生の時






初めて好きな人が出来た






それは、同じクラスのユンギ君という人






ユンギ君はバスケが上手くて






でも、あんまり女子とは話さない感じで






どちらかといえば






いつもユンギ君の隣にいるジン君の方が






モテていた











そんなある日






とても嬉しいことがあった






お母さん同士が仲良くなったらしいのだ






なんでかはよく分からなかったが






めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えている






これで最高の“口実”ができた






口実






それは、恋の大イベント






バレンタインチョコをあげるために






なくてはならないものだ









私の学校では






“余ったからあげる”は、






“本命です”






という意味だということになっていた






まぁ、これを上手く利用して






告白する人もいたけど






私にはそんな勇気ないから






とにかく、






渡したかった









ちゃんと受け取ってくれるかな






要らないって言われたらどうしよう






そんな事を考えながら






お母さんと一緒にガトーショコラを作った






小さく小分けして






ひとつずつ丁寧に袋につめる






その間もずっとユンギ君の事を考えていた




















バレンタイン当日






その日、私に奇跡が起きた






友達がジン君にチョコを渡すから






ついてきてほしいと言われたのだ






これで自然なシチュエーションで渡せる






本当にその友達には感謝している














友達と2人でジン君とユンギ君の元に向かう






あぁ、ドキドキしてきた









友達「ジン君!」






JN「ん?」






友達「これ、余ったからあげる!」






JN「え、あ、ありがとう」






どうしよう






私も渡さなきゃ






あなた「あのッ」






YG「ん、俺?」






あなた「うん」






YG「なに」






あなた「これ、“親に言われたから”あげるッ」






そう言って私は






頑張って作ったお菓子を渡した






YG「…ん」






そう言ってユンギ君は






私のお菓子を受け取ってくれた
















ユンギ君は“ん”としか言ってくれなかったけど






受け取ってくれただけで嬉しかった

























でも、






ユンギ君の真っ白な肌が






少しだけ…







ほんの少しだけ


















赤くなったきがしたのは







私の 自意識過剰 かな



















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続編「ホワイトデー = YG」









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