ぼくのお父さんは、『桃太郎』という男に殺されました。
あれは7年前のこと、まだ僕のお父さんが生きていた頃。
お父さんは毎日仕事(鉱山での採掘)をしていました。
僕はまだ仕事のことはよく分かっていませんでした。
お父さんは仕事で疲れたのにも関わらず、僕と遊んでくれて、とっても優しかったんです。
その分、夜遅くに地面にうつ伏せになって倒れて帰ってきた時は、心配しました。
だから思い切って聞いてみました。
おとうさんはそんなにはたらいてだいじょうぶなの?
するとお父さんは、こう答えました。
「お父さんはな、この仕事に就けて誇りに思ってるんだ。
それに貧しい暮らしで家族に辛い思いをさせたくないんだよ。
貧しくなったらもっと仕事をしないといけなくなって、お前とも遊んでやれなくなるだろう?
だからお父さんは仕事をするんだ。」
それを聞いて、僕はお父さんをカッコイイと思いました。
家族の為に頑張る姿を見て、将来僕はお父さんのようになりたいと思いました。
ところがある夜、お父さんは帰ってきませんでした。
翌日の朝、お父さんはボロボロになって帰ってきました。
お母さんは、傷だらけのお父さんを見て、驚きそして心配しました。
僕も半泣きでお父さんに、だいじょうぶ? だいじょうぶ?
と、繰り返し問いました。
お父さんは静かに大丈夫だ……と答えましたが、今にも倒れてしまいそうでした。
そんなことが何日かあり、お父さんはとうとう身も心もボロボロになりました。
何故そんなことがあったのか?
もっと早く気づけばよかった。
お父さんがその事を話したのは、2週間後の事でした。
ついにあの日の真実を、お父さんは語り始めました。
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
この一話を作るのに、2回ぐらい間違えて消してしまいました(;o;)
ぼくのお父さんは、『桃太郎』という男に殺されました。
という文から妄想が広がってしまいました( ´•ω•` )
次回、真実が明らかに!?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。