あなたside
彼氏と別れた。今まですごく仲がよかったのに。
どうして・・・どうして・・・
また涙がこぼれる。
大好きだった。大好きだったはずなのに。
小さな喧嘩で別れるなんて思っても見なかった。
いつも喧嘩してもすぐ仲直りしてたのに・・・
みっくん。
中学2年生の時に初めて会った。同じクラスになった。どこか私の母に似ているんだ。
4歳のときに他界した母に・・・
みっくんと出会ってもう5年がたとうとしている。
今年で高校も卒業。みっくんと会わなくなる可能性の方が高い。
みっくんはいつも私の話を聞いてくれる。
付き合ってもないのに、私のことを考えてくれてる。どうしてなんだろう。
私のことを考えて心配してくれるあたり、私の母にそっくりだ。
ツリメside
俺はあなたが好き。
中2で初めて会った。一目惚れだった。
会ったときは仲良くなるなんて思わなかった。
遠くから見ているだけで充分だった。
まさかあなたから話しかけてくれるなんて思わなかったしね笑
あなたside
なんの理由でみっくんに話しかけたのか覚えてないけど、でも母に似てたから仲良くしたいなと思ったのは覚えてる。
ツリメside
中3。高校の話をみんなするようになった。
もちろん俺はあなたと同じ高校に行きたかった。
ツリメ「あなたはどこの高校いくの?」
あなた「うーん····R高校に行こうかなって思ってる!みっくんは?」
ツリメ「まだ決めてないや!笑笑」
あなた「えー!早く決めなよ〜!」
あなたは頭がいい。
R高校なんて俺行けないよ。
そんなときだった。
先生「なあ、R高校受験してみないか?」
ツリメ「え?俺はあんなに頭がいいところなんていけませんよ。なに言ってるんですか笑」
先生「推薦だしてやる。」
ツリメ「え?」
先生「サッカーがあるじゃないか。」
そうか。サッカーか。
ツリメ「なら行きます。」
先生「よし、がんばれ!」
R高校。あれ、どこかで聞いたな・・・
誰か行くっていってたような。
ツリメ「あなた。俺R高校の推薦もらったんだけど」
あなた「え!?ほんとに!?私と同じじゃん!やったね!」
そうだ、そうだよ。あなたが言ってたんだ!R高校。なんで忘れてんだよ。俺。
あなた「頑張ろうね!みっくん!」
ツリメ「うん!そうだね!」
そして高2の夏。
あなた「みっくん聞いて!彼氏できた!」
ツリメ「え??」
一瞬時がとまったように感じた。
あなたに・・・彼氏?
ツリメ「おめでとう。よかったね」
あなた「うん!」
やっぱり俺じゃダメなんだ。
まあ、あなたが幸せならね
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ほんとにこのままでいいの?
あなたのそばにいてあげたい。
よし。決めた。
また泣いてるじゃん。
やっぱあなたが心配だ。こんな時は俺がそばにいてあげなきゃ。
しばらく歩く。
.
やっぱりあなたには笑顔が似合うよな。
笑顔が見れてよかった
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ほんとにこのままでいいの?
やっぱり俺があなたを・・・
あなたside
やっとわかったよ。
私の好きな人はみっくんだったんだ。
確かに元カレといた時もみっくんのこと考えてた。
みっくんが好きなんだ・・・
ツリメside
なんか、恥ずかしいな。笑
下を向く。
恥ずかしすぎてあなたの顔なんか見られないよ。
ギュッ
あったかい。
なんだろう。
気がついたらあなたが俺に抱きついてた。
俺は今、この瞬間。
あなたといる時が1番幸せ。
長くなりました💦
次は4/16更新予定です。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。