会議室に集まった幹部たち
この中の奴らは全員超が付くほどの変わり者。
(やはり、居ないだろうな)
再確認し、心の中で安堵する
手紙を出そうとすると横からトントンが話しかけて来た
「グルッペン。書類出せるか?時間が」
「ん?あぁ、どうぞ」
そういえば出していなかった
手にずっと持っていた書類を渡す。
「良かった、ありがとうな」
「あぁ」
沈黙。
「……グルちゃん、まさか用事ってこれだけ?」
「なわけあるか!!」
「じゃあ何の用事や?」
「シャオロンがうるさいから、はよしてくれ」
と、コネシマが欠伸をしながら言う。
コネシマ以外の幹部はこう思っただろう
いや、俺も思ったが。
おい
それ今言うか?
無意識に煽られたシャオロンは怒りからか、額に血管が浮き出ている
「はぁ?……なんや変態クソチワワが!!」
「んだとクソ平均化野郎!!」
始まってしまった
一番めんどくさい出来事が始まってしまった。
「……トントン、何とかしてくれ。」
「頼りのトントンは書類が間に合った安堵で寝てるよ」
見れば椅子でぐっすりと穏やかな表情で寝ている
「じゃあオスマン。」
「嫌やねんけど、グルッペンやって」
「俺だって嫌や!!」
(コイツらは本当に……)
少しは部下らしい行動してくれ
繰り広げられる喧嘩を眺める。
何故煽ってるんだコネシマ。
何故煽り返してるんだシャオロン。
長年の記憶から
コイツらの内ゲバは煽りから始まり
両者共に沸点が近く冷めにくい。
とても長い内ゲバになるだろうな。
「……めんどいなぁ」
話す脱力が抜けていくのをじわじわと感じていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。