第4話

最悪の事態
95
2020/11/20 07:53
とある書店。
私たちの仕事は稀モノについて調査すること。
稀モノ関連の事件は今年に入って20件もあった。
なのでこうして常に見廻らねばならない。
あなた

滉、そっちどうだった?

鴻上滉
鴻上滉
稀モノどころか和綴じ本は入ってなかった
あなた

そっか……んじゃ次行行こうか

鴻上滉
鴻上滉
うん
滉は、昔から無口で私たち兄妹以外誰ともつるもうとしない。その理由に私は気づいていた。滉はフクロウのスパイで、本当はカラス───つまり裏切り者だから。だけど、私はそれを誰にも言うつもりもない。滉が話してくれる……その時まで。
あなた

(滉の側に………居てあげたい。だからこうしてずっと一緒に行動しているんだけどね………)

そんなことをふいに思った自分がいた。

やはり私は滉に恋しているらしい。
そんなことを思っていると、滉が話しかけてきた。
鴻上滉
鴻上滉
………あのさ
あなた

ん?

鴻上滉
鴻上滉
今日の昼食なんだけど………
あなた

あー、決めてなかったねw

鴻上滉
鴻上滉
どうする?
あなた

んー、滉の好きな物でいいよ

鴻上滉
鴻上滉
じゃあ………肉がいい。
あなた

了解w

こうして調査もキリのいいところで私たちは行きつけの喫茶店───フラマンローズで昼食を摂った。
店員))いらっしゃいませー!ご注文は?
あなた

滉、決めた?

鴻上滉
鴻上滉
ああ。あなたは?
あなた

決めたよーw

鴻上滉
鴻上滉
じゃあ………
2人
カツレツ定食。
ほぼ同時だった。私と滉は顔を見合わせて笑ってしまった。
あなた

ちょwタイミング良すぎww

鴻上滉
鴻上滉
そう言えば、あなたも好きだったよな?カツレツ
あなた

うん!大好き(*´ω`*)

鴻上滉
鴻上滉
昔から変わらないよな
あなた

そぉ?w

そんなくだらない会話をしつつも昼食を摂った私たち。
昼食を摂り終わり、午後の任務をスムーズに終わらせ、アパートへ帰ろうとした………その時だった。
あの男が現れたのは。
あなた

………っ!?

四木沼喬
四木沼喬
やぁ。久しぶりだねあなた
あなた

………四木沼………

鴻上滉
鴻上滉
…………!?
私はこいつが憎い。それは何故か。理由は簡単、滉を拘束している………つまりカラスとして活動させられているから。私は四木沼喬が許せない。
四木沼喬
四木沼喬
単刀直入に言おう。私と一緒に来て欲しい。
あなた

………なるほどね……

私は滉の方を横目で見た。滉の表情は驚いているようだが、四木沼に逆らえないことはわかっているのだろう。従うしかないと思ったらしい。
あなた

…………わかった。

四木沼喬
四木沼喬
ではこちらへ。
私は車に乗った。もちろん滉も。しかし、一言も話さなかった。話してしまえば……どちらかがやられるのではないか。そう思ったから。
続く

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