非番明け。
今日はいつも通りレベル1での仕事がある。
ただ、手に大量のラスクが入ったバケットを抱えている。
お母さんが唯一作ってくれていたおやつのラスク。
ドサリとバケットを置いた時、丁度天田先生が来た。
カリカリッ、サクサクッと軽い音が鳴り響く。
天田先生がコーヒーを注いでいる照間先生に詰め寄る。
照間先生の手の火傷がコーヒーマシンに当たったみたいだ。
よーく見ると、かなり火傷が広がっている。重症ではなさそうだが、早く処置しないと跡が残りそうだ。
近くにおそらく食べ終わり洗い終わったスープ用のカップとおしぼりを手に取り、もったいないがウォーターサーバで水を汲んで、おしぼりの封を開けて水の中に浸した。
ある程度絞ったら、急いで照間先生と天田先生の元に駆けていく。
物凄い勢いで準備したからか、愛華ちゃんがぽっかりと口を開けていた。
慌てているからそれぐらいしかかける言葉が思い付かない…
コミュ力やばいかも…?
3分後程。
天田先生は火傷を負わせてしまった償いとして応急処置室(2階)に照間先生を連れて行った。
行き際に、
と言われた。
リハビリは、一度天田先生がやっているのを見学したことがある。
どうやら、霊楽ちゃんは歩く事はできるが走る事、運動が怪我によって出来なくなったらしい。
レベル1病室にて
リハビリは、遅めのランニングマシーンを一回3分走る、という物だ。
と前に倒れた。
私は急いでマシーンの動きを止めた。
その時、はだけたシャツから痣だらけの体が見えた。
怪我で、とか、リハビリで、とかじゃなく、異常なレベルだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。