第16話

15話 歓迎会・宴の始まり、過去の筆跡
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2023/05/26 14:04
天田 心美
天田 心美
さ〜!入って入って!
天坂 麻耶
天坂 麻耶
えっと、かなりぐちゃぐちゃですが大丈夫ですか?
部屋を見ると白衣が脱ぎ捨ててあったり、流しにはお皿が溜まっていたり…
天坂 麻耶
天坂 麻耶
…すみません。
私は我慢が出来ずに近くに放り投げてあったほうきを手に取り、掃除を始めた。
三十分くらい経った頃。部屋は跡形もなく片付けられていた。
天田 心美
天田 心美
おー!
天田 心美
天田 心美
ごめんね、麻耶ちゃん。
天坂 麻耶
天坂 麻耶
いえ、私が気になっただけなので…
その時、近くでカシュ、と今は聞きたくない音がした。
天坂 麻耶
天坂 麻耶
あっ!照間先生!
照間 禍斗
照間 禍斗
ん?
缶ビールの呑み口に口元が添えてある。
つまり一口呑んだという事だ。
天田 心美
天田 心美
ちょっと!照間先生…!
天田 心美
天田 心美
歓迎会とかこういうのはまず乾杯から呑むんでしょうが!
照間 禍斗
照間 禍斗
す、すみません…
照間 禍斗
照間 禍斗
僕、お酒の「アルコール」は嫌いなんですが「風味」が好きで…
天田 心美
天田 心美
ふ〜ん、あ、もしかして遺伝?
天田 心美
天田 心美
なんか親がしていた物を真似する、みたいな!
照間 禍斗
照間 禍斗
…っ
一瞬、照間先生の表情が曇った。
もしかして、過去に何かあったのだろうか?
照間 禍斗
照間 禍斗
…そうなのかもしれないですね。
天田 心美
天田 心美
へ〜、まぁ、いいや。
天田先生は気にせずあっけらかんと言ってのけた。
私と天田先生も次々とコンビニの袋からおつまみ、ほどよいを取り出し、私は塩ライチ、天田先生は芳醇ぶどうを開けた。
天田 心美
天田 心美
では〜!天坂ナースの黒百合病院Welcomeウェルカム記念、歓迎会開始で〜す!
照間 禍斗
照間 禍斗
お、お〜
天田 心美
天田 心美
それでは早速、かんぱーい!
缶と缶同士がぶつかり、カコン、と気持ちいい音が鳴り響く。
一口呑み、ライチのかぐわしい匂いと塩の滑らかな海の香りが口の中に広がった。
まるで海の波打ち際でライチをまるごとかじっている様な感じがする。
果汁0%なのに、まるでライチが入っているかのような風味。最近のほどよい、恐るべし。
天田 心美
天田 心美
ん〜!やっぱりほどよいは芳醇ぶどうが美味しいな〜!
天田 心美
天田 心美
そっちの塩ライチは?どんな感じ?
天坂 麻耶
天坂 麻耶
えっと、果汁0%なのにまるでライチが入っているみたいでした…
天坂 麻耶
天坂 麻耶
最近のほどよいのクオリティー、凄いですね…
天田 心美
天田 心美
だよね〜!
天田 心美
天田 心美
というかさ、私全然家事出来ないんだけど麻耶ちゃんはいつから料理とか出来るようになったの?
天坂 麻耶
天坂 麻耶
えっと、それは…
お姉ちゃんが居なくなってから、両親は明らかに放心状態になっていた。
父はまだかろうじて仕事が出来ていたが、母に関しては四六時中泣いてはボーッとしているの繰り返しで、とても家事が出来そうになかった。
それでも、私達は人間。当然お腹が減る。
だから、お姉ちゃんが居なくなった小学2年からずっと、ずっと家事をしていた。
幼い頃の麻耶
痛っ!
勿論最初は包丁などの扱いがうまく行かず、手を切る事がしょっちゅうだった。
でも、包丁を″握るしかなかった″。 
必ず、生きてお姉ちゃんに会う。だから、人一倍家事を頑張って、将来お姉ちゃんの病気を治せる様な医者になりたいと人一倍努力をして成績を上げて、お姉ちゃんに「沢山友達居るんだね」って褒められる為に人見知りを直した。
私の生き甲斐は、お姉ちゃん、それしかなかった。
そんな訳で、小学4年になる頃には家事全般は出来るようなった。
だからさ、お姉ちゃん。
帰って…きて…!
私は、自慢の妹になったはずだから、帰って来てよ!!
そんな事ばかり考えていた。
だからだろうか。私は医者の国家試験に落ちた。
それから勉強し直し、私は進路をガラッと変えて奇病特別看護師になった。
天坂 麻耶
天坂 麻耶
天田 心美
天田 心美
どんな感じれす?
天坂 麻耶
天坂 麻耶
え?天田先生もう酔ってるんですか!?
そっと天田先生の缶を持ち上げるとふわっと浮いた。持った感じ、もう飲み干したようだ。
天田 心美
天田 心美
だ〜か〜ら〜!どんな感じれすか!
天坂 麻耶
天坂 麻耶
ま、まぁかなり幼い頃からやっていたので…
天田 心美
天田 心美
ふ〜ん、そうなんれすね〜
天田 心美
天田 心美
ふぁぁっ、眠くなってきたぁ…
そういうと天田先生は眠りについてしまった。
隣を見ると、いつの間にか寝ていた照間先生が目に写った。
天坂 麻耶
天坂 麻耶
(お似合いカップルな気がする。)
そんな事を考えたがすぐに脳内から消し、照間先生と天田先生に近くに畳んだ毛布を掛け、二人にそっと
天坂 麻耶
天坂 麻耶
おやすみなさい。
と言い、私も毛布を掛けそのまま眠りについた。
甘粉
甘粉
いかがでしたか〜?
甘粉
甘粉
取り敢えず、ここであとがき新企画!
甘粉
甘粉
「キャラの誕生日公開していこ〜!」企画で〜す!
甘粉
甘粉
今回は麻耶ちゃん!麻耶ちゃんの誕生日は「6月26日」です!
甘粉
甘粉
次回予告!
甘粉
甘粉
麻耶ちゃん、遂に過去が明かされる!?
麻耶、過去編!?
甘粉
甘粉
お楽しみに〜!
甘粉
甘粉
p.s 今回は1700文字!

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