第7話

桜みたいなあなた チェウォン※学生パロ
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2023/03/09 03:00
チェウォン
チェウォン
すみません…!
いつか、廊下で隣を走っていて、ぶつかったあなた。

ぺこっとお辞儀する姿に一目惚れして、ずっと目で追うようになったのはいつからなんだろう。

桜が吹く、綺麗な季節だった気がする。
ユンジン
ユンジン
ーー!…、あなた〜!
ぼおっとしながら彼女のことを考えていると、どこか遠くから親友の声が聞こえてくる。

ドンッと目の前の机が叩かれ、びっくりして顔を上げると、ユンジンが呆れた表情で私の机に手をついていた。
ユンジン
ユンジン
はぁ…
(なまえ)
あなた
…ごめん!
何?
そう尋ねると、ユンジンはやれやれ、と首を振った。

…もう、そんなに呆れることないじゃん。
ユンジン
ユンジン
また、チェウォニのこと考えてたの?
チェウォン、それは例の彼女。

中3の時にぶつかって以来、高校生になった今、晴れてクラスは一緒になれた。

…正直、初めて中高一貫校に通って良かったと思った瞬間だった。

毎日違うチェウォンさんの表情に、気づかない内に虜になってしまって。

話したことは1度もないのに、無駄に私だけ意識してる気がする。


…あ、目…合った。
(なまえ)
あなた
 …ねぇ、チェウォンさんと目合った…!
ユンジンにそっと耳打ちすると、はぁ〜…って溜息をついている。

チェウォンさんは目を逸らす訳でもなく、少しぼーっとこっちを見てから友達との話にまた入ってしまった。
(なまえ)
あなた
…ほんと、可愛いなぁ〜
いつでも拝められるレベル。

整ってるベビーフェイスに、小さい耳。

コロコロ変わる表情までもが愛せる。

こんなに可愛い子居るんだったら、1年の時から知っとくべきだったなぁ…
ウンチェ
ウンチェ
…あなたせんぱ〜い!!
あ、可愛い後輩が呼んでる。

マンチェは本当に可愛いし、愛嬌たっぷり。

…しかも、実はチェウォンさんの妹だとか。
(なまえ)
あなた
マンチェ!!どした?
ウンチェ
ウンチェ
今日、一緒に帰りませんか!?
チェウォンオンニと3人で!
…え、?

チェウォンさん居るの!?!?
(なまえ)
あなた
やったー!!
帰ろ帰ろ!
私が喜ぶと、ウンチェは「良かった〜」と安心してる様子。

横目でチェウォンさんを盗み見ると、ちょっとにこにこしてる。やっぱ可愛いなぁ。


そこからは、チェウォンさんと帰ったらどんな表情を見せてくれるのかなぁ、とか。

チェウォンさんは私のこと、どんな人だと思ってるんだろう、とか。

そんな事を考えてぼーっとしてたら、終礼も終わっていた。

ウンチェと合流する前に、チェウォンさんの所に行ってみようかな…
(なまえ)
あなた
…あの、チェウォンさん…!
話しかけると、ビクッとして眉を上げるチェウォンさん。

口が半開きになっていて、本当にかわいい。

あぁ、今すぐ独り占め出来たらな…

……家に持って帰れないかなぁ〜…
チェウォン
チェウォン
…な、なんですか…?
不意にチェウォンさんがフリーズしながらそう言って、慌てて現実に戻ってきた。
(なまえ)
あなた
あっ、今日一緒に帰るので!
よろしくお願いしますっ!
勢いでそれだけ言って、廊下で待ってるマンチェのところまで足早に歩いた。
(なまえ)
あなた
マンチェ〜〜
ウンチェ
ウンチェ
あなたオンニ〜〜
マンチェを抱きしめると、ほんとにいい匂いがする。

まぁ、チェウォンさんのさくらみたいなシャンプーの香りも私は好みだけど。
チェウォン
チェウォン
お待たせ、ウンチェ!
じゃ、帰ろっか
チェウォンさんは私なんて居ないのかの様に目も合わせてくれない。

…無視?

人見知りなのかな?


色々な考えが頭を通って、抜けていく。

話しかけてみようかな…?なんて思って、私のすぐ隣を歩く彼女の方をチラッと見る。


バチッ、と火花が飛んだような気がするくらい、目が合った。

ギュッと心臓を掴まれたみたいに苦しくなって、『好き』なことを再認識させられた。

けど、すぐに目を逸らされてしまって。

オマケに私の隣からウンチェの隣へ移動する始末。
(なまえ)
あなた
…はぁ〜…何やってるの私…
もっと話したい、触れたい…なんて欲はもちろん叶わずに、そのままウンチェさんと話しながら帰れただけだった。
ウンチェ
ウンチェ
あ!私家こっちなので、さよなら!
(なまえ)
あなた
ばいばい!
ついでにチェウォンさんにも手を振ると、片手で髪の毛をいじりながら、胸の前でほんの少し手を振ってくれた。

それだけでキュンキュンしている私は重症だろう。

もし私がチェウォンさんの彼女になれたら…毎日こうやって照れながら手を振ってくれるのかな…なんて妄想を膨らませつつ、1人で家に帰った。
(なまえ)
あなた
ユンジナ!おはよーっ!
ユンジン
ユンジン
おはよー、今日なんか元気だねー
もうすでにユンジンは居て、あとチェウォンさんも居る。

久しぶりにチェウォンさんが1人で座ってるのを見た気がした。
(なまえ)
あなた
話しかけてみよっかな…?
ユンジン
ユンジン
お、いいんじゃない?
チェウォンさんの机に向かうと、チェウォンさんはビクッと肩を震わせて、上目遣いで見てきた。

すぐそばで見るチェウォンさんの顔は可愛くて…でもすぐに席を立ってしまった。
(なまえ)
あなた
あ、の…チェウォンさん!
少し大きめな声で呼ぶと、後ろの扉から外に出ようとする彼女。

なんで逃げるんだろ…
(なまえ)
あなた
チェウォンさん、逃げないでよ…
チェウォン
チェウォン
…っ
チェウォンさんの腕を掴んで、そっと引き寄せると凄まじいほど抵抗してきた。

それでも正面を向かせると、真っ赤になったチェウォンさんの顔が見えた。

照れてるのか、耳まで朱に染まっていて。
チェウォン
チェウォン
…見ないで…
必死で顔を隠して、可愛い声で「見ないで」なんて言ってくる。
(なまえ)
あなた
チェウォンさん、照れてるの?
チェウォン
チェウォン
うるさい…
おさまってきたのか、直視してくるのに耐えられなくて、次は私が目を逸らしていた。

わざと間にあった隙間を埋めるようにハグすると、焦ってる心臓の音が聞こえてくる。

今なら…言えるかもしれない。

振られても、関係は変わらない訳だし。

そしたら諦めるから…。
(なまえ)
あなた
チェウォナ
耳許で囁くと、「ひゃ!」と奇声を上げるチェウォンさん。
(なまえ)
あなた
ずっと…好きでした
自分の声は驚く程震えていて…チェウォンさんは何に対してか、少しクスッと笑った。

突然、ずいっとチェウォンさんの顔が近づいてきて…


次は私が、耳許で囁かれた。
チェウォン
チェウォン
私も、ずっと前から好きでした
急な告白に「えっ!?」と叫んでしまって。

チェウォナは電気のついていない暗い教室で、私の唇に、そっとキスを落とした。

…まさか、こんなに積極的になるなんて。

まぁ構ってくれるのも可愛いから別にいいけど。

このキスは本当に心臓に悪い。

まだ淡い春気分の、桜みたいなあなたがはしゃぐ姿が可愛くて、次は私がキスを落とした。

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