私…キムチェウォンは、ただいまめっちゃ困ってます!!
…え?何でかって?
勿論、原因はこの目の前に座ってるバカな担任のせい!!
担当教科が英語の担任、クラ先生は…私がクラス1英語が苦手だからって居残りさせてくる。
…オマケにクラ先生は、超が付くほどの美人で…
ちょっとツンとした性格と、甘い香りに乗ってくるもっと甘い声に、大半の生徒は堕とされてる。
勿論…こんなんじゃ集中も出来ないし!
…一体何回私を堕としたら気が済むんだこのツンツン担任は。
なんとなく手持ち無沙汰になって、夕焼け色に染まった空を見上げてる担任の横顔を眺めてみる。
くりっとした大きな瞳に、端麗な顔立ち。まさに…
思わず昡いてから、しまった、と後悔した。
少し先生の頬が赤くなっているのが…夕焼けのせいなのか、照れているせいなのかが全く分からない。
クラ先生の焦ったような声を聞きながら、「なんだか、青春みたいですね」と呟いた。
微笑みかけるその仕草も、ちょっと照れる表情も…全て、私だけの物にしてしまいたい。
あわよくば、乱れた甘い一面も見てしまいたい…なんて。
机に重ねてある先生の細い手を見て、ふと今まで思っていた疑間を口にした。
これは…期待していいのかな、?
だめだ。これじゃあまるで…先生がまだ未婚の事を煽ってる様に聞こえちゃう。
クラ先生の手に、私が何か付ける??
逆にどう言うことなんですか、って聞こうとして、踏みとどまった。
…私だって、そんなに鈍い訳ではないから。
ちょっとおちゃらけたクラ先生は、私の方を向いて一瞬びっくりしてから、真剣な顔に戻った。
端的に言葉で表してください、なんて言うと、みるみるうちに真っ赤に染まる担任。
その煽ってる口調に釣られて、閉じていたテキストをもう一度広げる。
実は聞こえてました、なんて言うこともできずに、私はただペンの先を走らせた。
I love you helplessly…「私はどうしようもなくあなたを愛しています」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。