第13話

helplessly サムクラ※生徒教師
1,297
2023/04/09 03:00
チェウォン
チェウォン
はぁ、疲れた…
サクラ
サクラ
チェウォン
チェウォン
もうやめたいんですけど…だめ?
サクラ
サクラ
だめに決まってるでしょこのばかっ!
チェウォン
チェウォン
え〜…
サクラ
サクラ
とっとと手を動かす!
チェウォン
チェウォン
むぅ〜…

私…キムチェウォンは、ただいまめっちゃ困ってます!!


…え?何でかって?


勿論、原因はこの目の前に座ってるバカな担任のせい!!


担当教科が英語の担任、クラ先生は…私がクラス1英語が苦手だからって居残りさせてくる。


…オマケにクラ先生は、超が付くほどの美人で…


ちょっとツンとした性格と、甘い香りに乗ってくるもっと甘い声に、大半の生徒は堕とされてる。


勿論…こんなんじゃ集中も出来ないし!
サクラ
サクラ
もぅ…なにぼーっとしてるの?
チェウォン
チェウォン
あ〜、ちょっと目の前に座ってる先生について考えてました
サクラ
サクラ
はぁ…、じゃあ1回休憩する?
チェウォン
チェウォン
ちょっと、1回ってなんですか1回って
サクラ
サクラ
まだ帰らせないもんね〜っ

…一体何回私を堕としたら気が済むんだこのツンツン担任は。


なんとなく手持ち無沙汰になって、夕焼け色に染まった空を見上げてる担任の横顔を眺めてみる。


くりっとした大きな瞳に、端麗な顔立ち。まさに…
チェウォン
チェウォン
綺麗…
思わず昡いてから、しまった、と後悔した。
サクラ
サクラ
…何が?

少し先生の頬が赤くなっているのが…夕焼けのせいなのか、照れているせいなのかが全く分からない。
チェウォン
チェウォン
なんでもないです
サクラ
サクラ
…そっか
チェウォン
チェウォン
…意識、しちゃいました?
サクラ
サクラ
〜っ!う、うるさいっ!
クラ先生の焦ったような声を聞きながら、「なんだか、青春みたいですね」と呟いた。
サクラ
サクラ
確かに…この感じ、どっかの青春漫画にありそう
微笑みかけるその仕草も、ちょっと照れる表情も…全て、私だけの物にしてしまいたい。


あわよくば、乱れた甘い一面も見てしまいたい…なんて。


机に重ねてある先生の細い手を見て、ふと今まで思っていた疑間を口にした。
チェウォン
チェウォン
…っていうか、クラ先生って指輪…付けてないんですね
サクラ
サクラ
そりゃあ…未婚だし、誰とも付き合ってないもん

これは…期待していいのかな、?
チェウォン
チェウォン
綺麗な手なのに…味気ないですね、
だめだ。これじゃあまるで…先生がまだ未婚の事を煽ってる様に聞こえちゃう。
サクラ
サクラ
じゃあさ
チェウォン
チェウォン
はい
サクラ
サクラ
なんか…付けてよ。私の手に
チェウォン
チェウォン
えっ…はい??
クラ先生の手に、私が何か付ける??
チェウォン
チェウォン
ゆっ…指輪、でいいんですか??
サクラ
サクラ
ん〜、そう言うことじゃなかったんだけどなぁ〜…
逆にどう言うことなんですか、って聞こうとして、踏みとどまった。


…私だって、そんなに鈍い訳ではないから。
チェウォン
チェウォン
…さっき、付き合ってる人、居ないって言ってましたけど
サクラ
サクラ
っ…、うん
チェウォン
チェウォン
好きな人は…居るんですね?
サクラ
サクラ
なに、その昔の占い師みたいな言い方
ちょっとおちゃらけたクラ先生は、私の方を向いて一瞬びっくりしてから、真剣な顔に戻った。
サクラ
サクラ
い、居るけど…
チェウォン
チェウォン
…もっと分かりやすい言い方じゃないと伝わりません
端的に言葉で表してください、なんて言うと、みるみるうちに真っ赤に染まる担任。
サクラ
サクラ
…I love you helplessly
チェウォン
チェウォン
げっ、英語…へるぷれすりぃ、って何ですか!?
サクラ
サクラ
さ〜ぁね。ちゃんと勉強してれば、分かるんじゃないのかな〜?
その煽ってる口調に釣られて、閉じていたテキストをもう一度広げる。
チェウォン
チェウォン
いいですもん。勉強しますもん
サクラ
サクラ
お、ようやくチェウォナがその気になった
チェウォン
チェウォン
あんなこと言われたら、誰でもその気になりますよ
サクラ
サクラ
…まぁ、チェウォナにしか言わないけどね
チェウォン
チェウォン
ん〜、何か言いました?
サクラ
サクラ
いや?何も?
実は聞こえてました、なんて言うこともできずに、私はただペンの先を走らせた。




















I love you helplessly…「私はどうしようもなくあなたを愛しています」

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