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第1話

悲劇のアリス
「なんで眼帯なんて…」

「不気味だよ」

村の中を歩く私に向かって村人達はひそひそと呟いた。

「アリス、大丈夫か?」

「!ペーター!」

ペーターとは私の幼馴染で、いつも味方をしてくれた、優しい男の子。

「ありがとう。私なら大丈夫よ。気にしてないわ」

「そ…っか。なんかあったら俺に言えよな。」

「うん!わかったわ!」

「ペーター!こっちの果物運ぶの手伝ってくれ」

「はーい!!俺行くね。じゃ」

そう言い、ペーターは行ってしまった。

これが最後の会話になるとは私は知る由もなかった。


「アリス、ちょっといいか?」

そう村長は私に声をかけた。

「…?なんでしょうか」

「急なことなんだが…この村を出て行ってくれ。」

「え…?」

私は持っていた籠を落とす。

「今なんて…」

「村人達はお前を奇妙がっている。だから」

「そんな!!」

そこに、大きな大人達がやってきた。

「連れて行け。」

「…!?やめて!!きゃっ…」

私は必死に抵抗した。

ペーターに会えなくなるのも嫌、家族にだってもう会えない。

「やめてっ…離して…」

すると大人達は

ガッ

鈍い音が響いた。

棒状のもので殴られた。

私は倒れてしまう。

そして、足で踏みつけられ、複数の大人達に蹴られ続けた。

「痛い…やめ…て…」

意識を失いそうになりそうになったその時、
ペーターがたまたま通りかかった。

「ペーター…たす…け…て」

「おい!!何してんだよ!!」

ペーターがそう言うと村人達が集まってくる。

「ペーター。関わるのはやめた方がいい。」

「あんな奇妙な子に近づいちゃだめよ」

「…っ!!」

ペーターは村人達に引き留められるも、私を助けに大人達に向かって殴り掛かろうとした。

「ペーター…!危ない!」

ペーターは大人達に殴られ、血を流した。

「わかったわ!わかったから…やめて!私が村を出ていくわ」

そう言うと大人達の暴行はぴたりと止んだ。

「アリス…アリスだめだ!」

「…ペーター。ごめんなさい。」

私はなんとか立ち上がると、暗い森の中へと歩いていった。