恵、心当たりがある人ってこの人…?
あぁ。
心当たりがある人を訪ねて病院まできた。
虎杖悠仁だな。
呪術高専の伏黒だ。
同じく呪術高専の乙骨です。
おまえが持ってる呪物はとても危険なものだ。今すぐこっちに渡せ。
じゅぶつ…?
恵!呪物って言っても一般人にはわかんないよ!
コミ力ないなー!
なんか失礼…
これです!このへんな箱に入ってるやつ!
そう言って私は写真を見せた。
あーはいはい、拾ったわ。
俺は別にいいけどさ先輩らが気に入ってんだよね。理由くらい説明してくんないと。
…
日本国内での怪死者・行方不明者は、年平均10000人を超えています。
その殆どが人間から流れ出た負の感情、“呪い“による被害です。
呪いぃ?
お前が信じるかどうかなんてどうでもいいんだよ!
言い方悪いよ!
で、特に学校や病院などの大勢の思い出に残らず場所には呪いが吹き溜まりやすいんです。
辛酸、後悔、恥辱、人間が記憶を反芻するたび、その感情の受け皿となるからです。
だから学校には大体“魔除け“の呪物が置いてあった。オマエの拾ったものもソレだ。
魔除け?
ならいいじゃん、何が危険なの?
魔除けと言ったら聞こえはいいですが、より邪悪な呪物を解くことで他の呪いを寄せ付けない、毒で毒を制する悪習なんです。
現に長い年月が経ち封印が緩んで呪いが転じた。今や呪いを呼び寄せ肥えさせる餌。
その中でもあなたの高校に置かれていたのは、特級に分類される危険度の高いものです。
人死にが出ないうちに渡せ!
いやだから俺は別にいいんだって!
虎杖さんが箱を投げた。
やった!任務終了!!
空…??
は?!
虎杖さん、中身は?!
だァから先輩が持ってるって!!
嘘でしょ…!?最悪!任務終了どころか手間が増えた…
ソイツの家は!?
知らねぇよ。たしかに泉区の方…
そんな大雑把じゃ困ります!!
…
なんだ?
そういや、今日の夜学校でアレのお肌剥がすって言ってたな…。
……
……
え…もしかしてヤバい?
ヤバいなんてもんじゃない!ソイツ死ぬぞ!!
急いで学校に向かいましょう!!
観光する予定が潰れそうな予感がする…
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。