第2話

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2019/05/05 02:06
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授業中は左隣の窓の方を見て外を眺めていたんだっけ。




科目は生物で、先生が授業とは関係ない話を熱心に喋っている。



寝ている人はちらほらいて、授業とは別のこと……ほか事をやっている人もまあまあ居たりする。



俺みたいに外を眺める、なんて人はいないけれども。



「ブラックホールが__」



話がコロコロ変わる先生だ。


オマケに出席確認では連呼もしてくる。何度返事をしてもやめてくれなくて、個人的には苦手な先生だ。


でも、たまに話してくれる内容には不思議と惹かれていく。



今のブラックホールの話だって、なぜだか興味をひかれるもんだ。




片耳で器用に先生の声を拾って、目線は外のまま。




じっと眺めてると、特徴的なピンクの頭が見える。多分じゅりであってる。

隣には見慣れない人がいる。
友達なんだろう。


…、まあ、じゅりだしな。


一人で納得していると、じゅりらしき人がこっちを向いて手を振る。

俺は1度周りをキョロキョロしてから振り返す。




勘違いはしたくないから。





その様子を見てじゅりは面白そうに軽く笑う。


隣の男の子は俺の方をずっと見つめるだけ。




じゅりは口パクて「昼休みね」と言ってグラウンドに走っていった。男の子をつれて。



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