ある日を境に
彼女は僕のところへ来なくなった。
流石に僕も心配になって
彼女に聞いてみたのだけど…
『ねぇ、なんかあった?僕で良ければ相談乗るよ?』
「…ッ何も、無いよ【後ろで手を組む】」
『…嘘だ。』
「嘘じゃない。」
『だって、後ろで手を組んでる。』
「…?それがどうかした?」
『…嘘ついてるときの癖。』
「ッ!?」
「何でそれを…」
『何年一緒にいると思ってるの?
それくらいわかるよ。』
「そ…っか。」
『…何があったの?』
今度こそ、話してくれると思ってた。
でも、そんな僕の考えは甘かった。
「まふには関係ないよ。
大丈夫だから、気にしないで?」
『…ッ…』
僕は、彼女に信用されてないのだと、
このとき強く感じた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。